松下哲也

近現代美術史の研究をしています。学会的な意味での専門はアカデミック美術やイギリスのロマ…

松下哲也

近現代美術史の研究をしています。学会的な意味での専門はアカデミック美術やイギリスのロマン主義絵画を中心とするコテコテの美術史ですが、もともと現代アートを勉強していたので、雑誌などではそっち方面の文章を書くことが多いです。

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日本の造形文化の伝統はアートと相性が悪いかもしれない

前口上以前Twitterで「美術鑑賞には教養が必要だ」と言ったら炎上しました。「美術」は「自由学芸(リベラルアーツ)」つまり西洋における教養科目に数えられる一制度の訳語なので、僕はそんなことは当たり前だと思っていたのですが、たしかにふつう、学校で「図画工作」は習っても「美術」は習いません。これは明治時代のいわゆる「文明開化」のときに日本が西洋の「美術」という制度を輸入しようとして失敗したからです。 僕は「美術」の仕事をしている人間なので、その辺の認識をみなさんと共有する必要

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    • 9月は遅めの夏休みでした。マジでなんにも働いてません。 にゃーん。

      • 松下哲也への中傷について

        私がTwitter上に書いた文章そのものに対する言及は、私も物書きですので、すべて批判として受け入れます。 しかしながら、事実を捏造したうえで私を中傷する行為の一切については、私個人、私の勤務先、私の取引先、そして私の個人事業等々に対する悪影響が具体的に確認できた時点で、相応の対処をします。 以上。

        • 日本語能力について

           多くの人は誤解していますが、たとえあなたが日本語のネイティブスピーカーだったとしても、あなたが十分に日本語を読み書きできるとは限りません。もし日本語話者がみな十分な日本語能力を持っているとしたら、国語の試験が成り立ちません。  高校生の頃、国語の偏差値が70を超える人もいたでしょう。しかし、多くの人はそうでないでしょう。日本語話者がみな日本語能力に優れているのであれば、そのような成績の差は出ません。ぼくたちは、ぼくたちが思っているほど日本語ができません。  自分は文章が読め

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        日本の造形文化の伝統はアートと相性が悪いかもしれない

          ぼくの『PUREGIRL』誌への評価に対する、加野瀬未友さんによる著しい中傷への反論(悲しいなあ)

           ぼくが心の底から尊敬してやまない雑誌『PUREGIRL』の編集長であった加野瀬未友さんからいわれのない中傷を受けており、大変傷ついています。 https://twitter.com/kanose/status/1528371036198010880?s=20&t=h6A79pX8FGURfVODrAAPdQ  ぼくは加野瀬未友さんはじめ先達の仕事には敬意を持っているので、根拠のない個人攻撃をされるのはつらいです。「ポプコムが、既存イラストのトレスCGではなく、現在のよう

          ぼくの『PUREGIRL』誌への評価に対する、加野瀬未友さんによる著しい中傷への反論(悲しいなあ)

          Twitterをやめた理由について

           ぼくがTwitterで『シン・ウルトラマン』を駄作だとけなしたあとアカウントを削除した件についていろいろな憶測が飛び交っているのを見てヒョエーってなりました。そのなかには、もちろん当たっているものもあれば事実ではないこともあります。ちょっと放置できないので、なぜぼくが垢消しをしたか説明します。  「表自戦士」ないしは業界からなんらかの圧力があったのが垢消しの原因ではないかという憶測はまちがいです。たしかに数年前から取引先や非常勤先などに「電凸」や「お気持ちメール」などが来

          Twitterをやめた理由について

          博士号は取った。その後はどうやって生きればいいのか? と悩んでいてもしかたがないので電子書籍で読める松下の最近の仕事をまとめて宣伝する。

           僕も多くの読者の皆さまと同じく新型コロナウイルスの影響で「自粛」を「要請」されて収入が激減したり、遠隔授業に関して、ある非常勤先からむちゃくちゃな内容の「対応」をロハでやれという「お願い」をされたりして(もちろん見敵必殺で断った)、目下キレ散らかしているところである。自分のキャリア形成と収入がこんなことで簡単にぐらつくようではこれからの人生本当に不安だわと強く感じたので、とりあえず YouTube と note をやって露出を増やすことにした。僕は結構「嫌儲」的なところがあ

          博士号は取った。その後はどうやって生きればいいのか? と悩んでいてもしかたがないので電子書籍で読める松下の最近の仕事をまとめて宣伝する。