八方美人 ポルトガル語ワンポイントレッスン リリアン・トミヤマ 月刊ピンドラーマ2022年5月号
#ポルトガル語 ワンポイントレッスン
#月刊ピンドラーマ 2022年5月号 HPはこちら
#リリアン・トミヤマ 文
フィナンシャル・タイムズの記者レイラ・アブード(Leila Abboud)によると、選挙の候補者たちは、物価や生活費の高騰を理解しているところを見せたくて、高価に見える衣装や装飾品をすべて外しているそうです。例えばマクロンです。彼はカルティエの腕時計を使っていましたが、安いものに替え、最近では腕時計を使っていません。
ブラジルではどうでしょうか?
ブラジルでも今年はこうした態度が見られることは間違いないでしょう。2022年は選挙の年ですから。ヴァロール紙の記事で、サンパウロ大学教授のジョゼ・デ・ソウザ・マルチンス(José de Souza Martins)は、政治におけるアルコール飲料の意味についての興味深い分析を行っています。
彼が指摘するように、2018年の選挙では、ルーラ元大統領を悪く言う方法のひとつは、彼がピンガ(またはカシャーサ。サトウキビの蒸留酒で安価で強い酒)を好む点を指摘することでした。低層階級を想像させる飲み物で、工場労働者が工場近くのバールで一杯やるという。こうした指摘で強められるのは、相応しい条件を備えていない無作法な人物というイメージです。
ひとこと付け加えておくと、カシャーサの愛好家であるという人もいます。当然安物のカシャーサではなく、特別な蒸留器(alambique)で何段階も蒸留を経たサトウキビ蒸留酒です。輸出用カシャーサと呼ばれるものです。
さて、今年の選挙で観ることができるのは、各候補者の政策論だけではありません。我々が生きる時代に相応しいメッセージを伝えるために、演説や服装やスタイルの中にある微妙な相違点も観ることができます。そして間違いなく八方美人の候補者が多いことでしょう。
ところで、ポルトガル語で「八方美人」をどう言うでしょうか?
こういう表現を使います。
例文を見てみましょう。
今月もお読みいただきありがとうございました。
ところで、アウグスト・ドス・アンジョス(Augusto dos Anjos、1884-1910)の「Versos íntimos」という有名な詩があり、衝撃的で有名な一節「A mão que afaga é a mesma que apedreja(撫でるその手が石を投げつける)」を「A stroking hand, my friend, may stone you too」と翻訳しています。この詩や他のブラジル文学の古典をポルトガル語と英語でお読みになりたい場合は、サンパウロ大学がPDFを無料で読めるようにしていますので、
https://www.revistas.usp.br/clt/article/view/49504
にアクセスしてみて下さい。
月刊ピンドラーマ2022年5月号
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