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青い鳥

図書館にて、何を借りようかと迷った時
「読みたい本リスト」を開く。

その一番上には、
いつ入れたかも思い出せない
「青い鳥」の文字。

どんな話かも分からなかったけど、
過去の自分が読みたいと思った本。
やっと読むことができた。

全ての短編に共通する
「吃音」
きっとこのキーワードが引っかかって
読みたくなったんだと思う。

重松清さんの本、何冊か読んでるけど、
やっぱり好きだ。
綺麗事だけでは語れない世界を、
人間らしく不器用に生きる人たち。
その不恰好さが、好き。

そして、本を読みながら
「自分」と向き合う。

不器用なあの子に向けて、思う。
今、自分が先生という立場で働きながら、思う。


世界はいつだって「普通」を求めてる。
大切なのは、一人行動よりも集団行動。
全て「みんなと一緒に」


子どもと毎日関わる中で、
一人で遊んでいる子、
上手く輪に入れていない子、
言いたいことがうまく自分の口で言えない子
が、私はすごく気になる。

そういう子を見ると、そっと近くに寄って、
言葉ではない何かを通じ合わせたい。

でも、それができないのが現実で。
多数派や、元気いっぱいの子どもらしい子が
「先生!先生!」と私を呼ぶ。


子どもたちはみんな可愛い。間違いなく。
でも、その可愛さは人それぞれ違うし、
顔も性格も一人ひとりみんな違う。

だから、
もっと、
多様な教育でいいはず。
もっと個に着目して関わりたい。
その子のペースを大事にしたい。

でも、集団行動の生活の中で、
多くの子どもたちを見る中で、
「そんなこと言ってられないよ」が現実だ。


だから、時々。
だから、一人だけでも。

下を向いてる子が、一瞬ニコっと笑えたら。
溢れる涙を拭きながら、
ちょっとでも深呼吸できたら。

みんなと違うことは悪いことじゃない。
あなたのことを認めてくれる人がこの世界にはいる。

そう誰かを支えてあげられる人でいたい。

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