「非」北欧生活|08. フィンランドのバレンタインは友達の日
ぼくはバレンタインデーに少し苦手意識を持っている。クリスマスを初め、バレンタインデーも、恋愛、そして何よりも男女のイベントにする必要がなぜあるんだろうと思ってしまう。自分はノンバイナリー(性自認が女でも男でもない、自分の場合は曖昧)であることもあって、パートナーがいたとしてもお互いにバレンタインを渡すタイミングを迷いながらスルーしてしまったこともある。もちろん、大切な人のために何かをやってあげる、一緒に特別な時間を過ごす意味ではとても素敵だと思う。
そうやって、バレンタインがやって来るたびにどこか少しモヤモヤしてしまうぼくが、フィンランドのバレンタインがちょうどいい!ということに気づいた。バレンタインデーはフィンランド語で ystävänpäivä(ユスタバヴァン•パイヴァ)=友達の日と呼ぶ。友達に感謝を込めてお菓子、バレンタインデーカードなどを渡したり、hyvää ystävänpäivää!、ハッピーバレンタイン!と挨拶を交わす。パートナーがいる場合はお互いにプレゼントを渡したり、バレンタインディナーなどの特別な時間を過ごす人もいる。
世界では恋人同士の日として過ごされているバレンタインデーは、なぜ友達の日になってしまったかを調べてみた。結論から言うと、はっきりとした答えは見つからなかった。バレンタインデーがフィンランドに渡ったのは1980年代で、割と最近のこと。最初は企業ではなく、様々なNGOやNPOがキャンペーンとしてバレンタインデーを広めていたらしい。そういったキャンペーンは、恋人の日よりも友達の日として宣伝する方が相応しかった説もある。それに、フィンランドの国民性的なところもあると考えられる。フィンランドの人は一般的に、特に言葉での愛情表現が少ないので、ラブラブ感をはっきりと出すのが苦手な人も多いと思う。いきなり、「恋人に愛を伝えよう!」よりも、「友達に感謝を伝えよう!」の方が受け入れやすかったかもしれない。
ぼくのバレンタインの思い出は小学校の頃の大イベントが一番印象に残っている。毎年バレンタインデーになると、赤いケント紙をハートの形に切って首からぶら下げる遊びが強制的に行われいた。その日のうちにクラスメイトや学校の友達をハグし、ハグした人がハートに名前を書いてくれる。今思うと、友達が少なかったり、ハグが苦手な子にとっては最悪な遊びだったのかなとも考えてしまう…
家に帰ったらもらった名前の数を数えたり、好きな子の名前が書いてあると定期的に出して眺めることもあったな〜笑
自分にとってのバレンタインデーは、気付けば過ぎてしまうイベントであり続けると思うが、「フィンランドでは友達の日だから!」と友達への感謝を伝えるのもアリかもしれない。
もいもい!
クー🌙
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