電話営業で成長できた話

営業といえば、「アポ取り屋」のイメージが強いだろう。

いわゆるテレマ、テレアポといわれるもの。



新社会人の配属先として挙げられやすいと思うし、中途でも求人があふれている「営業職」。

テレマは、飛び込み営業に次いで、もしくは同じくらい実践するハードルが高く見えているような気がする。



特に、今まで電話といっても、家族や友人といった「今の自分に関わりがある人」としか使ったことがない人に、いきなり「さあ架けてみよう!今月はアポ●件取ってね!」と促すのだから酷なものだ。




逆にいえば、テレマが怖くなくなって、ある程度安定してアポが取れるようになれば、営業職の登竜門を突破できたといっても過言ではない(と思う)。





私が所属している会社も、今でこそインバウンド流入(問い合わせ、紹介)が増えたものの、入社当初は「新人なんだから電話して自分で仕事を取ってくる」が当たり前だった。


だから、「自分の仕事はアポを取ること」と言い聞かせて、来る日も来る日も初対面相手に「お世話になっております。●●の〜です。」と電話を架け続ける日々。




1年半近くはやっただろうか。。。(遠い目)



思い出すだけで「もうテレマはしたくない!」と思う一方で、フレッシュな社会人1年目にあの経験ができたのは逆に良かったかな、とも思う。



今回は、「実録!テレマ特集」ということで(ネーミングセンス・・・)、私自身が新人時代にテレマする中で、①「苦労したこと」、②「工夫したこと」、③「成長できたこと」について触れていきたい。


①テレマで苦労したこと

私にとって、テレマで何よりも嫌だったのは、「断られる体験」が続くこと。

実際のところ、電話をかけることへのハードルはなかったといっていい。

なぜなら、大学時代に小規模のコールセンターで2年ほどバイトをしており、その中で電話をかけ続けることは経験済みだったから。


ただ、企業相手に電話をかけるのは社会人になってからの経験だったので、失礼がないように、クレームにならないようにと怖気づきながら架けた記憶はある。



そんな、いかにも自信がなさそうな声で応対すると、受ける方も「あ、いつもの営業ね」となってしまい、そもそも担当者にすら繋いでもらえないなんてこともざらにあった。


運良く担当者に繋いでもらえても、担当者に代わった直後に「お世話になっております」と始めようとした途端に「結構です」とガチャ切りされることもあったり(笑)


他には、話は聞いてもらえるけど、アポにならないようなこと等。

受ける側からすれば、「用件を一通り喋らせれば終わる」ため、こちらから質問を投げ掛けても適当な答えしか返ってこなかったり、アポを取る段階になって「うちでは必要はないかなと思うので」と断られたり。



多くの会社でテレマの実践に入る前に、どんな内容を話すかや会話の流れを書いた原稿(スクリプト)を用意することが多いけれど、私の経験上、スクリプトを忠実にこなそうとすればする程どんどんアポが取れなくなってくる(笑)


もちろん、ビギナーズラックなるものもあって、取れる時はスルスル取れる。

ただ、傾向として、こなせばこなすほどアポの獲得率が下がっていくというジレンマ。



アポが取れなくなってくると、アポを取れた時にあった自信がどんどん削られていってしまい、「どうせまたアポは取れない」という超ネガティブ思考モードに突入。


こうなると結構復活するのが大変で、このメンタル面のコントロールと行動の改善が鍵を握っているといってもいいだろう。



②テレマで工夫したこと

「アポが取れない」モードの時には、「アポは手順を守れば取れるようになるのか?」ということを考え直してみることが多い。



「いやいや、だってスクリプト書くということは、成功する会話の法則があるってことでしょ?」


そんな声が聞こえてきますが。




これは、ある意味正しくて、ある意味では不正解。



当然、スクリプトの流れ通りに話が進めば、「アポは取りやすい」。


ただ、電話を受ける人も人間なので、スクリプト通りに話してるな、というのは多く営業を受ければ受けるほど勘が鋭くなってくるもの。



だから、アポを取れるようになるには、「どうしたら会っても良い」と思ってもらえるのかを考える必要がある。

究極、「全部アドリブで話す」という手段もあるかもしれない。(やるかやらないかは自己責任で笑)




要は、こちらが話しやすい流れにする(イメージとしては、特定の商材を売りたいからこういう流れで話す)ことだけを意識するのではなく、「この会社は何が課題になりそうだろう?」とか「自分(自社)は、その課題にどんな価値提供ができるのだろう?」ということを考えて、その中で一番興味を持ってもらいやすいキーワードを使って話すような感じだ。



興味を持ってもらいやすいキーワードというのは、例えばビジネス界隈で頻出のキーワードだったり、業界内でトレンドになっている取り組みだったり。

最近だったら、「DX」とか「生産性向上」とか。


必ずしも提案したい商材がそれらを解決するものではなくても、話をつなげるきっかけとしてそのキーワードを使うという手法。



電話でクロージング(成約)まで持っていくような営業も一部あるけれど、基本的には「会いにいくことをとりつける」のがテレマなので、提案内容を一部始終話す必要は全くない。



惹きつけるキーワードを冒頭でぶつけるか、もう一押しでアポが取れそうな時に、「こういう情報(流行ワード)もお伝えします!」みたいな感じで乗り切るかは、その人の好みで分かれる部分ではある。



あとは電話口での振る舞い。

お客様相談窓口とかの受け答えをイメージして、「丁寧に丁寧に」と思ってやりすぎると、残念ながらアポ率は上げられない。


むしろ、「知り合い宛に架けるてるよー」くらいの図々しさで、しぶとく取り組んだ方が着実にアポが増えていくと思う。


③テレマを通して成長できたこと

未取引先に対して、何のコネクションもなくアプローチを試みる経験をすること自体が、ものすごく貴重な経験だと思う。

その中で、サービスの紹介をするでもなく、「会ってほしい」といきなりデートに誘うようなことをする、それがテレマというもの。



テレマをこなせるようになると、実際に商談をするのなんてなんてことのないように思えるはず。(商談は商談で、会うことがゴールではなく、商談を成立させるように誘導することが重要なのでまた別の次元のお話)



それくらい、テレマの実践は、営業としてメンタルを成長させることができるし、顧客を誘導するテクニックを上達させる良い機会になる。



問い合わせが来ていない=ニーズがない訳ではなくて、「気づいていない」「問い合わせる余裕はない」みたいなケースもあるので、適切なターゲットに対して、適切なアプローチをひたすら続けていくことが重要。


数件かけてアポ取れないのは普通なので、10件、50件、100件・・・と工夫してかけ続ける行動量もお忘れなく。

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