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25卒「御社が第一志望です」とはもう言わない

現在25卒採用の真っ只中。
新卒採用を担当し、毎日多くの学生と接する中で感じた学生の変化を
今日は綴っていきたいと思います。

建前で「第一志望です」とは言わない

今年特に印象的なことは、採用面接において他社の選考状況を聞く過程で
弊社の志望度を聞くと、「第一志望は○○社です」と正直に答える学生が
増えたように感じています。
※弊社への志望度云々は一旦置いて話をします

これまでは、嘘でも一応、「御社が第一志望です」「まだ迷っている段階ですが、御社が第一志望軍の一つです」と答える学生が多かった中、
本音ベースで話す学生が非常に多い。

これを採用担当としてどう感じているかというと、
「いい傾向」である。そう思っています。

「第一志望です」と言わないことが「いい傾向」だと思う理由

賛否両論あると思いますが、私はこれは就活においてとても
良い傾向だなと思っています。

その理由① 「情報伝達の解像度が上がった」
第一志望ではないということを、正直に伝えてくれるからこそ、
「今どんな情報が必要なのか」一人一人の学生にあった情報を
選別して伝えられているように感じています。

「必要な情報伝えられる」ことについてですが、
これは第一志望の会社と比べて、志望度が低い理由をしっかりとヒアリングできるからこそ、「双方での伝達情報の解像度」が上がりました。
たとえば、「第一志望の会社は成長スピードが早い点に魅力感じている」と言った学生がいるとします。掘り下げていくと、実は成長スピードに対して魅力を感じているのではなく、「入社後のキャリア選択の幅が広い」
それ故に、「様々なスキルを身に着けて成長していけると感じた」ことが
志望度の高さに繋がっていたことが分かります。
そうすると、採用担当としてもこの学生に伝える情報としては、
弊社での所属部署毎の入社後のキャリアステップをより詳細に伝えるができます。

このように、互いに知りたい情報に対して、ボタンの掛け違いがなく、
より解像度が高い会話ができています。

学生自身も、「第一志望」と言った手前、どうしてもそこに辻褄を合わせて会話することになってしまうため、本当にほしい情報を採用担当としても
伝えられていなかった実感があります。

理由② 「本音で話せる安心感」

互いに本音で話せていることが、会社としても学生への信頼度が増す一因になっています。これは、採用段階でもそうですが、どちらかというと
入社後をイメージした時の「信頼感」が大きいですね。

「ちゃんと思っていることを本音で伝えられる」
これができることは、ストレスマネジメントができる方が多いように感じています。これだけメンタルヘルスの問題が増加している世の中で、
「限界まで頑張る」のではなく、ちゃんと「無理な段階で無理」と言える。
入社を決めてくれた方には、採用担当としては、何よりも心身ともに健康で
働いてほしい。これが願いです。
だからこそ、相手の顔色伺った会話ではなく、正直に「第一志望ではない」と伝えられる方の方が、「本音で話せる安心感」があるのです。

「第一志望ではない」という回答で危惧していること

一方で、正直に「第一志望ではない」との答えに危惧していることもあります。それは相手を慮る姿勢です。これは、私たちの会社や選考官へ配慮をしてほしいということでは全くありません。
ある種、嘘でも「第一志望です」という回答にはその場にいる相手を慮っての回答でもあったと思うのです。
どんな業種であっても人と一緒に仕事をしていく以上、相手を慮る姿勢といのは時に自分を助けてくれる武器でもあります。
「第一志望」と言ってほしいということではなく、面接は「慮る」練習の場でもあったのかな、と最近は感じています。

自由にキャリアを描く時代になったからこそ、
正直に気持ちを話してくれる学生が増えました。そこへの敬意を忘れずに
自分らしく働ける会社に出会えるよう、採用担当してこれからも学生に寄り添っていきたいです。



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