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【感情紀行記】過半数

 出先の町でこんな広告を見つけた。「パンの半分以上がチーズ!」だ。チーズ好きにはたまらない商品ではないか。吸い寄せられるように店内に入っていった。商品は、大量のチーズが入っている、美味しそうなパンだった。

 しかし、よく考えてみた。パンの半分以上がチーズとはどういうことなのだろうか。チーズの半分以下がパンなのではないか。半分以上がチーズということは、51%以上がチーズということは確定している。その上で、49%以下がパンであるということだ。この国の根幹をなしている民主主義であるが、議員の半数以上が賛成というのは、成立(賛成)となる。「議会の過半数が野党です。」というような矛盾を感じる。地球は、表面の70%が水で覆われているから、水の惑星なのだ。

 「チーズの半分以下がパン」のチーズ屋さんのこの商品の広告は、民主主義の根幹すら揺るがし、私たちの美しい水の惑星、地球すら否定するものになっていたわけだ。再び「生コッペパン」のように権力に媚びへつらい、忖度をしてしまった商品を発見してしまった。しかし、どうもこの手の商品は不思議と目についてしまう。もしかしたら、違和感を感じさせ、目を止める広告戦略にピッタリとはめられているのかも知れない。

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