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【感情紀行記】済成

 人間生きているとうまくいかないことは山ほどある。些細なものから大きなものまで様々だ。やりたいことができなかったり、やろうと思っていたことができなかったり。失敗と言っても色々だし、思うように奏功しなかったというレベルのものもあるだろう。

 受験などにおいても、こういう問題は発生してくる。しかし、そんなに落ち込むことでもないのかもしれない。その場所との相性が悪かったのだ。それは自分自身が合っていないのもあれば、相手が自分に合っていないのもある。様々なレベルにおいての不適合はあるのだろう。それが事前にわかってよかったと割り切ることしかできない。かの有名な日本を代表する浮世絵師の歌川広重だって、初代歌川豊国に入門を断られている。のちに、弟弟子の歌川豊広に入門を懇願し、入門を許されている。現代で歌川と聞けば、真っ先に出てくる歌川広重も、絵師としてはそんなスタートである。また、入門した豊広の画題に縛られない作風が広重にも影響したという。現在ではそのような画風が良き方向に評価されているのはご承知の通りであって、どこでどんな出会いがどのようにどう影響するかはわからないものである。

 こんな事例は、人類の長い歴史の中でいくらでもある。海外にだって、カーネル・サンダースやウォルト・ディズニーを初め、様々な人がいる。挫折とも失敗とも言える経験や経歴の積み重ねこそ自分自身であって、特徴と言える。どこで誰が何を評価してくれるかはわからない。どこでなんの繋がりができるかわからない。そう思えば、相性が合わないところへと無理にねじ込まれるよりかは、相性の合うところでのびのびとしていた方が良さそうだ。チャレンジをしないのは話が異なるが、失敗は、本人が失敗だと思うから失敗なのであって、人生の小さな選択でしかない。与えられた環境で最大限の自分を成長させることも、何か意味を見出して粉骨砕身するのも良い。成功は失敗になりうるし、失敗は成功になりうる。よく言われるような言葉だが、落ち込んだりしている時にはふと忘れてしまう大切なことである。

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