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エピソード6 『曇り空の記憶』

こんにちは

この番組は、昭和型板ガラスの話
そして、昭和型板ガラスにまつわる想い出の話をお届けする番組です。

お届けするのは、メモリーコレクター 吉田です。

本日ご紹介するのはU様からいただいた想い出です。
題名は『曇り空の記憶』です。

それでは、ご覧ください。




『曇り空の記憶』

私は生まれてから、10代半ばまで古い木造建築の家に暮らしていたのですが、そこにはめられていたガラスが「夜空」と「銀河」でした。

頂いた作品に触れていると、ガラス越しに見ていた庭の風景、指でなぞった感触が鮮やかに思い出されます。

平成生まれではありますが、昭和ガラスを懐かしいと思える経験があることを、こんなに幸せに思ったことはありません。

昭和ガラスが、窓を始め引き戸や部屋の扉にもつけられており開け閉めの際の音や重み、振動でかすかに鳴る音が日常の一部でした。

今思えば、家族や自然の気配を感じる温かい音だったように思います。

また、昭和ガラスと共にいつも思い出されるのは、曇り空の日の記憶でほのかな明るさに、ぼんやり浮かぶガラスの模様を眺めている記憶です。




ありがとうございました。

平成生まれの方からの想い出です。
昭和のガラスが今でも使われているということもあり、幅広い世代にも知れ渡っていることがわかります。

しかし、知らない方も多いです。
洋風のマンションなどには型板ガラスが入っていないことが多いように思います。
和風のおうちには必ずと言って良いほどあります。
その多くは 『夜空』『銀河』かもしれません。

『夜空』『銀河』はとても人気ですね。

型板ガラスの想い出を聞いて感じることは、それぞれのガラスに匂いや音・感触などをくっきりと覚えていること。
その時の記憶が鮮明に浮かび上がってくる。
昭和には人間の感覚が優れていたのかなぁ. . .

今の生活は、便利なもので人間が楽して生きていけるものが多いように感じます。
楽をすることで、人間の感覚が衰えてはいないか?
自分で考えて行動することや生きるために大切なことを見失っていることがあると感じています。

型板ガラスの回収や想い出を通して、今の生活を考え直す時間にしたいと思っています。


このプロジェクトを始めたきっかけは自己紹介でもお話をしましたが、お客さまが型板ガラスを見て懐かしさのあまりに声を出しています。
その声を聞いていると、この型板ガラスには秘めた力があるんだと感じました。

私も小さい頃から今まで46年間、型板ガラスに囲まれて生活をしてきました。
ガラスだけでなく、思い返すと記憶のあちこちに家族との想い出とつながる物や匂い・感触などが蘇ってきます。
型板ガラスは、その中の一つでしかありません。
この一つのきっかけで、家族がいつまでも繋がっていけるような
ステキな日本になれば良いと思っています。

pieni



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