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エッセイ|本を読むとき

本の書き込み

 本を読むときに、気になった箇所に線を引いたり、書き込んだりしますか?
 読んだあとに、新古書店に売ることを前提とすると、付箋をつけおくだけにとどめておいたほうが、高く売れるとは思うのですが、私は本当に気に入った箇所には線を引きたくなるんです。

本に対する接し方

 人によって、本に対する接し方・愛し方は変わります。
 『資本論』を書いたカール・マルクスは大読書家で、蔵書には数多くの書き込みが残されています。本の一節を読んで思い浮かんだ着想や感想などが書き込まれています。
 その一方で、アダム・スミスの蔵書には、ほとんど書き込みは残されていません。本に対する敬意を示していると言われることもあります。著書を読むと、マルクスに負けず劣らず大読書家であったようですが。

 私の場合、全体の内容がスーッと頭に入ってくるときは、普通に黙読するだけで、読んだ本は、ほぼ購入したときのままです。
 けれども、内容がよくわからなかったり、文脈を離れても「いい表現だなぁ」と思ったときには、「青の色鉛筆」で線を引くことを常としてきました。
 最初のうちは「赤ボールペン」で線を引いていたのですが、時間が経つと、色が染みてきて後ろのページが読みにくくなったことがあったからです。

 今では本自体、あまり読まなくなってしまいましたが(noteへの投稿にハマってしまって😳💦)、これからもお気に入りの本ほど、書き込みを続けていこうと思っています。

線を引いておくメリットについて。

再読するとき、線を引いておいた箇所を読めば、読んだときの記憶が戻りやすい。

再読するときに、「何でこんなところに線を引いたのだろう?」と考えること。「何でこっちにもっと素敵な表現があるのに、スルーしているんだろう?」と考えてみたり。
 最初に読んだときより、読みが深まったな、と思う時もあるし、過去の自分もなかなかいい読みをしていると自画自賛することもある☺️。

書き込みが多すぎたときには

 書き込みが多すぎると、本が読みにくくなったり、売りにくくなったりと、もちろんデメリットもあります。
 本を貸したりするのも、恥ずかしくなりますしね。本を貸すことはほとんどありませんが。

 でも、そうしたデメリットってそもそもデメリットと言えるでしょうか?
 もちろん高額な本には、書き込むことに躊躇いを覚えることもありますが、文庫本程度なら、また買って読んでも、さほど無駄遣いだとは思いません。
 家で読む用の本と、電車など外で読む用の本というように、二冊三冊と同じ本を持っていたっていいではありませんか?

まとめ

 別に本への書き込みを奨励しようとするつもりはありません。必要な箇所をコピーしてとっておいて、そこだけを読み返すなんてこともあっていい。
 しかしながら、本当に自分にとって良書と思えるものならば、同じ本でも何冊か持つことは、決して無駄遣いではないと思っています。
 「本を買う」「本を読む」という行為は、「消費行動」ではありません。

 「本を読む」とは、現在および未来の自分への「投資」ですね。
 

 これを言ったら元も子もないのですが、「同じ本を二冊も買うなんて無駄だ」と断罪?することはしないで下さいね。本の愛し方は、その読み方と同じく、自分にとってしっくりとくる方法を選択するに限ります。
 

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