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エッセイ | 見た目を変えるだけでも大きな進歩なんじゃないかな?


(1) 関数の表記法


最も単純な関数と言えば
y = ax 」という形で表される
比例を想起する人が多いだろう。

高校生になると同じ比例でも
f(x) = ax 」( F of X equals ax.) [エフ・オブ・エックス イークウォルズ エイエックス]という表記法があることを学ぶ。

「y = ax」も「f(x) = ax」も、
y は x の関数であることわ表すことに変わりないが、表記が変わると関数の持つ本質的な意味がわかりやすくなる。


(2) 奇関数と偶関数


① y = ax 
② f(x) = ax 

①と②は、同じ比例を表す関数である。

①の「x」に「-x」を代入すれば、
y = a × (-x) = -ax ・・・① * 
🤔これだけだと、「なにが?」という感じ。ふ~ん。

②の「x」に「-x」を代入すれば、
f(-x) = a × (-x) = -ax・・・② *

ここで②と② * の式を並べてみると
②      f(x) = ax 
② *   f(-x) = -ax   

② * の右辺「ax」は②から f(x)と同じだから、

f(-x) = -f(x)

と表すことができる。
つまり、原点に関して対称であるということがわかる。このような関数を奇関数という。

それに対して、二次関数でも同様に
「x → -x」で置き換えれば、

f(-x) = f(x)

と表すことができる。
つまりY軸に関して対称であるということがわかる。このような関数を偶関数という。

偶関数なのか奇関数なのかということを確かめておくと、グラフが描きやすくなる。


https://manabitimes.jp/math/1052


(3) 対数関数をf(x)で表すと


対数関数

f(x) = log a X とおくと、P>0、Q>0のとき、

log a PQ = log a P + log a Q だから、

f(PQ) = f(P) + f(Q)  

が成り立つ。

 だから何?と思われるかもしれないが、「対数の本質は、面倒な掛け算を簡単な足し算で表すことである」ということが簡単に理解できる(と私は思っている)。


結び


 数学の発展に寄与したものはなんだろう?とたまに考えてみる。

 新たな「定理」や「公式」の発見というものは確かに大きな進歩なのだが、「表記の仕方」の改善というものの貢献も大きかったのではないだろうか?

たとえば、
ニュートン流の表記ならば、
y = ax の微分は、
y' = ax' = a のように「'」(ダッシュ)で表される。
ライプニッツ流の表記ならば、
dy/dx と表される。

ただ微分するだけならば、
ニュートン流のほうが便利だが、
積分するとなると、
ライプニッツ流の表記に軍配が挙がるように思われる。

 というのは、dy、dxをあたかも分数のように扱うことができるから、微分方程式を立てることさえできれば、あとは機械的に式が答えを導いてくれる(積分するだけでいい)というメリットがある。

 この記事では扱わなかったが、ベクトル行列という表記方法のおかげで、見た目がスッキリするという効果もあるように思う。もっと遡ったことを言えば、0(ゼロ)、アラビア数字、という数字、「=」(等号)などの記号のおかげで、かなり数学の記述が簡略化された。

 これを日常言葉だけで表現するとしたら、どれだけややこしいことになるかということは想像にかたくない。

 中学生の頃に、方程式の応用問題を解いた経験は誰でもあるとおもうが、どんな長い文章題でも、たいてい1つの方程式でその内容を表すことができる。数式というもの自体が問題を簡略化することに役立っているとも言えよう。


 いいアイデアというものは、きっと誰でも持っている。ただ、それをうまく表記(表現)することができないと、アイデアの実現には近づかない。表記の仕方や表現の仕方を工夫するだけで、だいぶ見通しが良くなるのではないだろうか?

 表記・表現を改めることも「進歩」「進化」だと言って良い。新しい定理の発見と同等、あるいは、もしかしたら表記の仕方の発見のほうが大きな進歩であると言えるかもしれない。



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