対話 | 光と影のエレジー
光 :
あなたは内心を隠すことができていいわね。
影 :
君はすべてをさらけ出すことができていいね。
光 :
でも、あたしはみんなを輝かせることができる。
影 :
でも、ぼくはみんなを隠してあげることができる。
光 :
けれど、あたしは自分自身に光を当てることができない。
影 :
けれど、ぼくは自分自身を隠してあげることができない。
光 :
それはあたしのせいかしら?
影 :
君がいなければ、みんなを匿うことができる。
光 :
でも、あたしがいなければみんなあなたになってしまうわね。
影 :
君だって、ぼくがいなければみんな君になってしまう。
光 :
あなたは、あたしあってのあなたということね?
影 :
君だって、ぼくがあっての君だろう?
光 :
そう言われればそうね。
影 :
そう言われればそうだね。
光 :
あたしはあなたから独立できない。
影 :
ぼくも君から独立できない。
光 :
お互い様っていうことね。
影 :
お互い様っていうことだ。
光 :
あたしたち共存できるかしら?
影 :
ぼくたちは共存せざるを得ない。
光 :
なんか嫌な言い方ね。
影 :
ごめん、傷つけたかな?
光 :
見える傷は、あなたが隠してね。
影 :
無論だ。でも、君には消えてもらわなければ無理だ。
光 :
消えるわけにはいかないわ。あたしがいなければ、この世は暗黒になるわ。
影 :
暗黒は平等だ。
光 :
そうかもしれない。
影 :
ぼくが消えても同じようなものさ。
光 :
不毛なお話でしたね。
影 :
ははは、ぼくは不毛そのものさ。
記事を読んで頂き、ありがとうございます。お気持ちにお応えられるように、つとめて参ります。今後ともよろしくお願いいたします