森うさぎ🐰さんへ📨 | 使役動詞について、ほか(英文法のはなし)

　この記事は、最近投稿した私の記事(↓)にいただいた森うさぎさんのコメントに対するお返事になります。
　きちんと答えられるかどうか、自信はありませんが、私が知るうる限りのことをまとめてみたいと思います。

　森うさぎさんからいただいた「お題」は、次のようなものでした(順不同)。
 *若干、私の解釈を含みます。

① (前の言葉を受けるときの) it と that との使い分けについて。
② 「 the way」「 its way」という場合の「the」と「its」との使い分け。
③「使役動詞」の使い分け。使い方。
④「受動態」に対する私の考え方。

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　大きく分けると①から④になるかな、と思います。
　とりあえず、私にとって答えやすい「お題」から順番に書いていこうと思います。

　今までに私が読んできた英文法書を参考にしつつ、私独自の考え方を書きます。
　私の考え方が必ずしも正しいとは思っていませんし、さまざまな考え方・捉え方があることは言うまでもありません。　　　　　
　疑問に思った箇所は、ご自分でお調べいただいたり、考察したりすることをオススメします。

　「何らかの参考になれば」という気持ちで、この記事を書きます。

　読んだあとに、何らかのご意見・ご感想がございましたら、この記事のコメント欄のお越しいただくか、あるいは、ご自身の記事でご自身のご考察を書いていただけたら、と思います。

⚠️「勉強になりました」「まったくわかりませんでした」という類いの、中身の薄いコメント(『いちおう読みましたよ』的なコメント)は、かたくお断り申し上げますm(_ _)m😄。
　そういうコメントは必要ありません。
　
　ではさっそく本論に入ります。

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(1) 使役動詞について

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　「使役動詞」については、過去に何回か書いたことがあります。

　過去に書いた「使役動詞」に関する記事はこちら(↓)になります。
*「有料マガジン」に含めた記事もありますが、全文読むことができる設定にしてあります。興味のある方はご覧ください。

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　使役動詞に関しては、だいたいここに掲げたことで十分かな、と思っています。もちろん、もっと細かく分析しようと思えば分析できますが、大筋の理解はこれで良いかと。

　使役動詞うんぬんと言う前に、それぞれの単語の「コアの意味」を把握しておけばいいのかな、と思っています。

　高校生の英語参考書には使役動詞として、
have, make, let, get…to (do)が掲載されています。
　「have」は「持っている」、「make」は「(コネコネ)作る」、「let」は「～のままにしておく」、「get」は「～になる」というのが、それぞれの単語の「コアの意味」です。
　そして、「get」を除き、「使役動詞+目的語+動詞の原形」という形をとります。
　たとえば「私は彼女に私の車を洗わせた」なら、(文法にのっとって書けば)次のように表現できるでしょう。

I had her wash my car. 
🙄ニュアンス🙄
私は「彼女が私の車を洗う」という状況を持った。

I made her wash my car. 
🙄ニュアンス🙄
私は「彼女が私の車を洗う」という状況をコネコネと作り出した。

I let her wash my car. 
🙄ニュアンス🙄
私は「彼女が私の車を洗う」という状況をそのままにしておいた。

「have」「make」「let」のいずれを使うにしても「彼女」に対して「～せよ！」(～しろ！)という意味合いを帯びるので、「彼女よ、やれ！」みたいな感じですよね。
　だから、「命令文」的に「動詞の原形」を使用することが好まれるのでしょう。

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補論 | 「動詞の原形」について

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　唐突ですが、ここで、少し「命令文」について触れておきます。

　「命令文」は、誰か目の前にいる相手に対して発する文なので、一般的には「You」が省略されたものだという説明がされます。

　たとえば「Sing this song.」(この歌を歌え！)なら「You sing this song.」の「You」が省略された形だ、というように。
　しかし、次のような言い方も可能です。
「Somebody sing this song.」
と言えば、「誰か、この歌を歌え！」という意味です*。
*「Somebody sings this song.」のように「３単現のS」をつければ「誰かがこの歌を歌う」という(習慣や傾向を表す)平叙文になります。

　「３人称の命令文」には、次のようなものもあります。

Long live the king !
(王様万歳🙌)

　「王様よ、末長く生きてください」っていうことですよね😊。一応、命令文です。「祈願文」とか言われることもありますが、「命令文」であることにかわりはありません。「You」という２人称は使われていませんけどね。

God bless you ! も同じです。

　何が言いたいのかというと「動詞の原形」(正確に言えば『不定形』)が使われる時には、使役動詞にせよ、命令文*にせよ、(以下で触れる)仮定法現在にせよ、すべて「命令のニュアンスがある」ということです。

*命令文も仮定法現在の用法だという考え方もあります。

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　「動詞の原形」には「仮定法現在」としての使い方があります。これも「命令文」の一種として捉えると良いと思われます。

　教科書的な説明によれば、「仮定法現在」は、「命令」「提案」「要求」などの意味があるとされています。

[命令]
①She ordered that he do it himself. 
(彼女は彼が自分自身でそれをするように命じた)
[提案]
②He suggested that we go shopping. 
(彼は、買い物に行こうと言った)
[要求]
③She demanded that he go in her place. 
(彼女は、彼が彼女の代わりに行くことを要求した)

①から③の「太字」の前には、いずれも「should」を置くことが可能です。
日本語で説明するときに、「命令」と言おうが、「提案」と言おうが、「要求」と言おうが、いずれにしても「命令」の意味を帯びていることは間違いありません。

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小括 | 使役動詞

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　make, have, let などの使役動詞を用いるとき、「使役動詞+目的語+動詞の原形」という形をとりやすいのは、「動詞の原形」には「命令文的なニュアンスが宿りやすいからだ」と私は思っています。
　「目的語よ、○○せよ！」というのが使役構文なのではないかと。
　使役の「強さ」(強制度合い)は、それぞれの使役動詞の「コアの意味」による違いである(「持つ」なのか「作る」なのか、のように)、といちおう言えるだろうと思います。

　ところで「get + 目的語 + to + 動詞の原形」についてですが、なぜ使役動詞の中で「get」だけが「to + 動詞の原形」になるのかという疑問に私はまだ答えていませんでした。

　この点に関しては、「getのコアの意味」が「～になる」だということを想起すれば良いのかなと思っています。
　この前の記事で「to + 動詞の原形」という形の「不定詞」は、「これから～する」というニュアンスを帯びることを説明しました。

　おそらくですが、「get」の「～になる」というコアの意味と、不定詞の「これから～する」との相性がいいから、原形不定詞ではなく、「to +動詞の原形」という形をとるのでしょう。
　あるいは、単純に「口調上」「to + 動詞の原形」のほうが言いやすいからかも知れません。

　プラクティカルなことをまとめておくと、次のように覚えておけばいいでしょう。

make, have, let は「原形」をとる。
強制度合いは、「make ＞ have」。
「let」は「～させる」というよりも「許可する」くらいのニュアンス。

get は「to + 動詞の原形」をとる。
「『○○が✕✕する』ような状態になるようにする」という感じでしょうか？

　次に「受動態」の話に移ります。

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(２) 受動態(受け身形)について

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　「受け身形」(受動態)を初めて学ぶときに、次のような説明を受けたと記憶しています。

He loves her. [能動態]
(彼は彼女を愛している)

　能動態の目的語である「彼女」を主語にして、元の能動態と同じ状況を表すのならば、「彼女は彼に愛されている」ということになります。

She is loved by him. [受動態]
(彼女は彼に愛されています)

　このような場合、受動態がなくても能動態を使えば、内容的には同じなので、受動態は必ずしも必要ないのではないか？、とも思えます。

　こういう疑問にはいちおう、「彼女に焦点を当てた言い方が必要なのだ！」と主張することができます。至極もっともな主張でそれも一理あります。実際、そのように「視点」を変えて表現するために受動態が用いられることも多いです。

　しかしながら「ぜったいに受動態が必要である！！」とは言いがたい。私は受動態が存在のは、必然的な理由があると思っています。

　次に挙げる文ではどうでしょう。

They use French in Canada. [能動態]
French is used in Canada. [受動態]

　どちらも「カナダではフランス語が使われている」という意味です。しかしながら、能動態の「They」は「漠然とした人」を表す「They」であり、かなり不自然な文です。
　「彼」とか「彼女」とか、ハッキリと顔が分かる人ではなく、「文法的に立てられた主語」としての「They」であり、具体的な身体をもつ人ではありません。
　このような場合には、「フランス語」を主語に立てて、あえてフランス語を使う人を前面に出さないほうが自然ですね。

　また、次のような場合はどうでしょう？

He was born in America and his mother brought him up there. 
(彼はアメリカで生まれ、そしてそこで彼の母親が彼を育てた)

　別にこの文でもおかしくはないのですが、前半部分の主語が「彼」で、後半部分の主語が「彼の母親」であるので、表現が冗長というか、視点がブレている印象が私にはあります。
　同じ内容ならば、主語を統一するために受動態を使うほうが、スッキリした文章になります。

He was born and brought up in America. 

　この文では「彼のお母さん」を消しましたが、彼の生い立ちに関してまとまった話をするならば、他のどこかで「彼の母親」を登場させればいいので、あえてこの文で言う必要もないかな、と私は思います。

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小括 | 受動態

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「受動態」を使うのは、次のような場合。

①
「～された」ことを強調したいとき。
②
具体的な人がわからないとき。あるいは、言う必要がないとき。
(例) He was killed in the war. 
(彼はその戦争で死んだ)
③
主語を統一して、視点がブレないようにするため。

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結び

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　一気にすべての「お題」について書こうとしましたが、少し記事が長くなったので、とりあえずこの記事はここまでにしておきます。
　長くなったという理由のほかに、用例等をきちんと調べたあとに書きたいという気持ちもあります。

「『its』と『the』との違い」と指示代名詞「『it』と『that』との違い」に関しては、記事をあらためて投稿したいと思います。

　お楽しみに😊。

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