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連載小説⑰漂着ちゃん

 ナオミと私はそれぞれ、所長から送られてきた書類にサインした。

 しばらくして、エヴァと私が再会する日取りが決まった。


 24時間、エヴァと私は二人だけで過ごすことになった。

「エヴァさん、お久しぶりです」

「はい、こちらこそ。私があなたとナオミを収容所に送り届けた日以来ですね」

 エヴァはどことなく、ぎこちない話し方であった。

「私がナオミとあなたを繋げたのは、、、。あなたのことが好きだったからです。私はどうしても、あなたの子どもの顔を見てみたかった。たとえ、私の血が通っていなかったとしても。。。」

「そうだったのですね。なぜ、私たちが一緒に暮らしていた時におっしゃってくださらなかったのですか?」

「そんなこともお分かりになりませんか?私があの時、あなたに告白していれば、あなたは間違いなく躊躇したことでしょう。そして、ナオミとは結ばれなかったことでしょう。私だって自分が子どもを産める体だったなら、あなたと結ばれたかった」

「そこまで子どもが欲しかった理由は、弥生王朝を復活させることがあなたにとって、何よりも大切だったからですか?」

「それは名目上のことです。私はあなたに子孫を残してほしかった。自分が愛した男の子どもをこの目で見たかった。だけど…」

「だけど?」

「だけど、実際にヨブが生まれたと聞いたら、なんであなたの子が、ナオミの子で私の子どもじゃないんだろう?、っていう嫉妬心に気がついたんです。せめて、子どもが出来なくても、今日1日だけでいい。あなたと結ばれてみたい、そう思ったんです」


 私とエヴァは、激しく愛し合った。互いに、今までにないくらいに熱く燃え上がった。

「はぁ、あ、いく…」


…つづく


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