短編 | ほんの一部消えた虎吉スイカの鍵🔑をひとつだけ選ぶなら

　消えた鍵を、私は探している。絵を描くと上のような鍵(↑)だ。全体的に虎🐅っぽい柄で、持ち手の部分はスイカ🍉っぽい、私のお気に入り。機能としては、普通の鍵となんら変わらないのだが、オーダーメイド。「虎吉スイカ」という名前までつけていたのだ。

「虎吉よ！どこに行ったんだ！」

　読んでも返事などあろうはずはない。模様は派手でも普通の鍵となんら変わらないのだから。

　落ち着け！今日１日に歩いたルートをもう一度歩いてみよう。もう４時だが、今は日が長いから７時くらいまでは明るい。

　家を出て、そのあと公園を突っ切って、コンビニに行って…落とすとしたらどこだろう？
　わからない。もう諦めるしかないか…
幸い、スペアキーはあるのだが…

　
　スペアキーを使い始めて３日後、思わぬ場所で鍵を見つけた。家の前に真っ二つになった虎吉スイカが落ちていた。しかし、スイカの部分は遂に見つからなかった。

　願い事が１つだけ叶うなら、虎吉スイカを元通りに直してほしい。

おしまい

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複数の企画に、ひとつの記事で無理やり参加してみた。

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