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英語 | 弱強五歩格

 最近シェイクスピアのソネットを読んでいるが、そもそも「ソネットとは何か?」というのが分かりにくい。

 「十四行で書かれる詩」というだけなら単純だが、いろいろ細かいルールがある。

 韻(rhyme、ライム)は比較的理解しやすい。「韻を踏む」といえば、「同じ音で揃えること」と理解しておけばいいだろう。ソネットには、韻の踏み方のパターンがある。「韻の踏み方」はそれぞれの行の最後の音に注目すれば良い。また、綴りからも推測しやすいので、理解しやすい。


 ちょっと分かりにくいのが、弱強五歩格 (iambic pentameter)という言葉。
 弱く読むところと強く読むところが繰り返されることらしい。

「弱・・弱・・弱・・弱・・弱・

弱強五歩格の具体的な例


ソネットではないが、
シェイクスピアの十二夜(Twelfth Night)から引用する。

If music be the food of love, play on. 

音節(syllable)に分けて、強く読むところを強調すると、
If mu-sic be the food of love, play on.

「弱・・弱・・弱・・弱・・弱・」になっている。


 「強く読む単語が繰り返される」ならパッと見ただけで分かりやすいのだが、「弱強」が繰り返されるのは「分節」(音節、syllable)レベルの話である。


 今まで、英和辞典で単語を調べるとき、「分節」にはあまり注目していなかった。あまり実用性を感じたことがなかったからである。

 辞書の見出し語は、たいてい次のように記されている。
 たとえば、「extravagance」という単語は、

ex•trav•a•gance 

「・」で区切られている。
「ex」「trav」「a」「gance」がそれぞれsyllable(音節)なので、「extravagance」は「四音節」の単語だということである。


 本当にシェイクスピアのソネットが「弱強五歩格」になっているか、辞書の「分節」(音節)を参考にしながら、考えてみよう。


ソネット70より


That thou art blamed shall not be thy defect, 
For slander's mark was ever yet the fair. 


辞書で分節を調べて、「・」で区切ると次のようになる。

That thou art blamed shall not be thy de•fect, 
For slan•der's mark was ev•er yet the fair. 


「弱強」の「強」の部分を強調すれば

That thou art blamed shall not be thy de•fect
For slan•der's mark was ev•er yet the fair


確かに「強」のところを強く読むと、耳心地がよく聞こえる。


音節(分節)というものに、あまり注意を払って来なかったが、シェイクスピアを鑑賞するときには、辞書で単語を調べてみると面白い。

シェイクスピアの作品は、ソネットに限らず、喜劇・悲劇も驚くべきことに、ほとんど「弱強五歩格」で成り立っているという。すごくないですか?


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