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分かるということ | 多角形の内角の和について考える


三角形の内角の和

たとえば、三角形の内角の和が180度であることは、誰でも知っている。

きちんとした証明は、次のように(↓)、平行線の錯角と同位角が等しいという性質を用いればできる。

平行線の「同位角」「錯角」は等しい。

ペンを回しても、三角形の内角の和が180度になることがわかる(↓)。

https://note.com/piccolotakamura/n/n085dd5ce4a93


2つの説明のうち、どちらか1つでも理解できたら「分かった」と言っていいと思うが、どちらが分かりやすいだろう?


とりあえず、三角形の内角の和が180度だということを認めて、次に、四角形の内角の和を考えよう。


四角形の内角の和

四角形の場合は、対角線を一本引けば、三角形が2つできるから内角の和は
180 × 2 = 360
ということで、「360度」になることがわかる。


五角形の内角の和

五角形も1つの頂点から対角線を引けば、三角形が3つできるから
180×3= 540
だから、内角の和は540度になる。


これまでにやったことから、
三角形は、三角形が1つ
四角形は、三角形が2つ
五角形は、三角形が3つだから、
n角形は、三角形が(n-2)になるだろうと予想できる。

だから、n角形の内角の和は

180 × (n-2) ・・・①

六角形ならば、
180 × (6-2)= 720(度)と求めることができる。

これを公式として覚えておきましょうね!、と言って終わりにしてもいいのだが、①の「公式」を変形してみると、

180 × (n-2)
=180 × n-180 × 2
=180n-360

なので、
n角形の和は

( 180n-360 )度・・・②

と覚えてもいい。

式を変形しただけなので、計算して出てくる値は当然同じなのだが、考え方が異なる。

②はこういうふうに考えると導くことができる。

たとえば五角形の内部に、任意の点Oをとって、頂点と結ぶと次のようになる。

五角形だから、辺の数と同じ数(5個)の三角形が描ける。


しかし、求めたいのは、「内角の和」だから、点Oのまわりの分の角度、つまり360度(↓の図の赤丸⭕)を、180 × 5から引かなければならないから、

180 × 5-360 = 540(度)となる。


まとめ

①のほうが計算が楽だが、もし公式を忘れてしまったら、②のほうが分かりやすいと思うがどうだろう?

人それぞれだとは思うが、公式を「分かる」「理解する」とは、導き方を理解することだと思う。
公式に当てはめて、正確に計算することより大切なことだ。


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