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新・走れメロス | 冬之色メロスの物語

 冬之色メロスは大笑いした。だって、巨乳が揺れるんですもの。
 推定Gカップ以上と思われる胸が、右、左、右、左と揺れるのを目の前にして、平静を保つことができる男は、果たしてどれほどいるだろうか?

 しかし時は12月。真夏とは違う。

 8月の頃は、汗まみれの陰嚢が内股に張りつき、時折ポジショニングをなおすのが世の男の常である。しかし、12月ともなれば袋の表面積は著しく小さくなるのみならず、棒も短めに縮こまるものだ。

 冬の色慾は、ある意味、興奮による膨らもうとするエネルギーと、寒さによる縮小エネルギーとの鬩ぎ合いという、真逆の力の綱引きの間にあるのだろう。

 巨乳女はメロスに言った。
「股間を大量の雪で満たしなさい。そして、今から1時間耐えなさい。これから私は、あなたの前で、生まれたままの姿になります。もしあなたの色慾が本物ならば、あなたの息子はそれでも大きくなることでしょう。1時間後、あなたの息子がこの上もなく膨張していたら、私の処女をあなたに差し上げましょう」


 女はその言葉どおり、服をすべて脱いでメロスの前に立った。

 メロスは、一面に広がる雪を両の手でかき集めて、股間に当てた。彼の息子はみるみる縮こまっていった。

メロスは戸惑いながら、神に祈った。
「天にいらっしゃる神々よ、ご照覧あれ。私はきっと耐え抜きます」


 10分が経過した。

「おおお、なんという冷たさ。マジ、冷たいんだけど。あああ、あああ」

 しかし、メロスは耐え抜いた。ところが1時間経った頃には、どこについてるのかさえ分からぬほどに、彼の息子は、小さく、そしてさらに小さくなっていた。

 それを見た巨乳女が言った。
「どうやら、あなたの色慾は偽物だったようですね」

 女は、冷然と、パンティとブラを身につけた。メロスは悄然とうずくまったまま、二度と立ち上がることができなかった。

 


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