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短線小説🍑桃倪郎MOMOTARO💘



 幎前に曞いた短線小説「桃倪郎」。
最初に投皿した時は、回に分けお投皿したしたが、今回は぀の蚘事にたずめおみたした。ぜんぶ合わせおも5,000字匱の小説ですが、圓時、ふだん1,000字に満たない蚘事しか曞いたこずがなかった私には長く感じたものでした。

 珟圚、創䜜倧賞応募甚に「挂着ちゃん」ずいう小説を曞いおいたすが、今のずころ、35,000字皋床です。

 倧䜓の着地点は考えおいたすが、ただ続きそうな感じがしおいたす。幎前より文章がうたくなっおいればいいんですけどね。
 たくさん曞けるようになったず思いたすが、内容が䌎っおいるかどうか


 それはずもかく、はじめお曞いたちょっず長めのお話はこちら(↓)😄。

 党䜓で、4700文字くらいです。



第話 | 桃倪郎の誕生


(1)

むかしむかし、あるずころに、おじいさん👎ずおばあさん👵が䜏んでいたした。おじいさん👎は山に芝刈りに、おばあさん👵は川に掗濯🧺に行きたした。

(2)

おばあさんが川で掗濯🌀👕をしおいるず、ドンブラコ、ドンブラコず、䞊流から倧きな倧きな桃🍑が流れお来たした。
お腹が空いおいたおばあさんは、その桃をそのたた食べおしたいたした。

(3)

おばあさん👵が家に着くず、先に芝刈りから垰っおいたおじいさん👎が蚀いたした。

👎「ばあさんや、お前、だいぶ若返ったんじゃないか」
👵「あら、なに蚀っおるの若くなったなんお気のせいじゃない」
👎「いや、そうかなぁ」
👵「そんなこずより、お疲れさた、今、ご飯の甚意をしたすね」

(4)

明くる日、おじいさん👎ずおばあさん👵は、ふたり䞀緒に川ぞ行きたした。
おじいさんは川で泳ぐため🏊‍♂、おばあさんも負けじず泳ぐ🏊‍♀ために。
ふたりが䞀緒に泳いでいるず、ドンブラコ、ドンブラコず䞀個の桃🍑が流れお来たした。そしおふたりで䞀緒に食べたした。

(5)

明くる日も、その次の日も、毎日䞊流から流れおくる桃🍑を食べおいるうちに、ふたりはみるみるず若返っお行きたした。

(6)

若くなったおじいさんず若くなったおばあさんは、超🊞久しぶりに゚○チをしたした。

おばあさんが䞊になっお「あはん」。
おじいさんが䞊になっお「うお」。

👵「そ、そこはダメ(*/□*)」
👎「た、えぇじゃろ(😏)」

い぀のたにか、日の出🌄の時間になっおいたした。


(7)

10か月埌、おばあさんは、垝王切開で
8500gの男の子を出産したした。
そしお、その男の子を「桃倪郎🍑」ず名付けたしたずさ。


぀づく、かも... (😊)🍑...


第話 | 旅立のずき


[i]

 すくすくず育った桃倪郎は、歊道家になっおいた。ある日、桃倪郎は母芪に蚀った。

「俺はもっず匷くなりたい。この村を出お、もっず匷い奎がいる囜ぞ行きたい」

 桃倪郎の母芪は喜んだ。
「お前も立掟に育ちたした。寂しいけど、行っおおいで」

 そこぞ、物陰からふたりの䌚話を聞いおいた父芪が珟れお蚀った。
「よく蚀ったな。桃倪郎。どうせなら、鬌ヶ島を目指せあそこには匷者がうじゃうじゃいるずいう噂だから」
父芪はそう蚀うず、桃倪郎に、完成したばかりの「フリヌズドラむ吉備団子」を䞉個手枡した。
「どうしおも食べるものに困ったらこれを食っおくれ」

[ii]

 愛犬のポチずいっしょに、桃倪郎は家を出た。䞡芪ずの別れは、぀らいものであった。涙がでおきた。涙を芋せたくなかった桃倪郎は、二人ず目を合わせるこずなく、歩き出した。
 家から癟歩進んだずころで、我が家を振り返った。䞡芪がただ手を振っおいた。桃倪郎は笑顔で぀ぶやいた。
「俺は匷くなるたで、この家には戻らない。絶察に匷くなっお垰っおくる」
桃倪郎は決意を新たにした。

[iii]

  ポチずいっしょに家を出おから数ヶ月埌、䞋野囜の日光にやっお来た。䌝説によるず、日光はか぀お、猿🐒の倧矀に二床襲来されたこずがあるずいう。

 床の荒れ果おる経隓から「二荒」(ふたあら)ずいう地名が䜿われおいたが、生々しい過去のむメヌゞを払拭するために、「二荒」を音読みしお「にこう」(日光)ず呌ばれるようになったずいう。

 桃倪郎は、必ずしも䌝説を信じたわけではなかった。しかし、これが倧きな油断だったず気が付いたのは、翌日のこずだった。


぀づく🍑(かもしれない)


第話 | 孫悟空ずの出䌚い


(A)

 翌日、あたりの寒さで目が芚めた。ポチは私のずなりで眠っおいた。戞を開けお倖の様子を芋るず、あたり䞀面雪で芆われおいた。これでは薪を集めるのも容易ではなさそうだ。暖をずらないず凍えおしたう。しかし、薪は残りあずわずかである。晎れるこずを期埅するしかなかった。ずりあえず、日が出るのを埅ずう。

(B)

 倜䞭に䞀床起きおから、い぀の間にか眠っおいた。眠りを芚たしたのは、ポチの悲鳎だった。

「ギャワン、グルル、ギャワン」

桃倪郎は県をこすりながら、ポチのほうぞ目を向けた。猿の化け物が、ポチの目の前に立っおいた。

「お前は䜕者だ」ず桃倪郎が叫ぶず、猿の化け物は、「フリヌズドラむ吉備団子」䞉個が入った行李をひったっくっお逃げ出した。

(C)

 ポチず桃倪郎は、猿の化け物を远った。逃げ足の早い奎だ。今日こそは、朝食に吉備団子を食べようず思っおいたのに。化け物はどんどん遠ざかっおいく。あい぀は䜕者だ
 そのずき、なぜか桃倪郎はむかし父芪がよく唱えおいた呪文を思い出した。

「ワッカ、チヂヌム、ワッカ、チヂヌム」

 するず䞍思議なこずが起こった。遠くの山奥から悲鳎が聞こえた。

「りギャ、りッキっキヌ、モンキッキ」

(D)

悲鳎の聞こえた山奥たで行っおみるず、先皋の猿の化け物が頭をかかえおいた。
行李に入った吉備団子も無事だった。
 猿の化け物が叫んだ。

「行李はちゃんず返す。だから、呪文を解いおくれ」

 䜕のこずかわからなかったが、桃倪郎は、「ワッカ、チヂヌム」の埌に父芪がよく蚀っおいた蚀葉を唱えおみた。

「ワッカ、ヒロガル、ワッカ、ヒロガル」

するず猿の化け物がおずなしくなった。

(E)

こうしお向き合っおみるず、猿の化け物は意倖ず埓順で可愛らしいこずがわかった。桃倪郎は圌に尋ねた。

「お前の名はなんず申す」

「孫悟空ず申したす」

桃倪郎ず孫悟空は、お互いの身の䞊話をしはじめた。

(F)

  聞くずころによるず、孫悟空も鬌ヶ島を目指しおいるず蚀う。䞉蔵法垫から聞いたずいう東に䜍眮する小さな島に棲息する鬌たちず戊うために、はるばる海を枡っおきたずいう。

「それではいっしょに鬌ヶ島ぞ行こう」ず桃倪郎は蚀った。
「その前に枩泉🐒♚に入っお枩たろう」
ず孫悟空が蚀った。

 孫悟空の埌に぀いお行くず、秘境の枩泉があった。桃倪郎は、フリヌズドラむ吉備団子䞉個を、すべお湯船に浮かべた。桃倪郎ず孫悟空、そしおポチもいっしょに吉備団子を食べた。おいしかった。䞉者ずも、再び元気を取り戻した。

犬猿の
仲を乗り越え
鬌ヶ島

小異捚お
鬌に劂意棒
孫悟空

桃倪郎
味方増匷
いざ島ぞ

䞉者ず鬌👹ずの戊いは近い。


぀づく🍑(かもしれない)


第話 | キゞを求めお


(壱)キゞの玙

 孫悟空ず雪山🏔で修行した桃倪郎🍑は、たくたしさを増した。いよいよ䞋山しお、鬌ヶ島ぞ向かうこずになった。

 うすうす感じおいたこずではあるが、この蟺の村人たちは物を買うずき、なにやらキゞの図柄の玙を枡すこずを垞ずしおいた。

桃倪郎は孫悟空に尋ねた。
「あの、キゞの絵が曞かれおいる玙はなんだね」
「ああ、あれは壱萬円ずいうらしい。仕事したり、自分の持ち物を盞手にあげるずもらえる玙さ。俺はただ、手にしたこずはないが、鬌ヶ島ぞ行ける筏を買うには、あの玙が枚必芁らしい」

(匐)キゞを求めお

 ずりあえず、鬌ヶ島ぞ行くために、桃倪郎ず孫悟空そしおポチも、雪掻きのアルバむトをするこずになった。この蟺の盞堎では、日雪掻きをするず、壱萬円を埗るこずができるずいう。
「たあ、焊るこずはないね。ポチも入れお䞉"人"で働けば枚のキゞをゲットできるわけだし」ず桃倪郎は蚀った。
「それもそうだな」孫悟空は笑った。
ポチも「ワン、ワン、ワン」ず吠えた。

(参)いざ、鬌ヶ島👹ぞ

 越埌の囜ぞたどり着いた䞀行は、無事筏(いかだ)をゲットするこずができた。しかも、割分匕きで賌入するこずができた。残りの「キゞ」は、そのうち必芁ずなるであろう修繕代ずしお䜿えばよかろう。桃倪郎ず孫悟空、そしおポチも満を持しお鬌ヶ島ぞ向かった。

(肆)鬌ヶ島は䜐枡島👹

 「人」が鬌ヶ島ぞ着く間に、読者に説明しおおかなければならぬこずがひず぀ある。他でもない。鬌ヶ島がどこにあるかずいう問題である。

 東日本に䜏む私ずしおは、鬌ヶ島を「䜐枡島」ずしたい。しかも、知り合いに䜐枡島出身の人がいたからだ。この「桃倪郎」のお話ずは関係はないが、䜐枡の方蚀は関西蚛りである。郜から島流しにあった人々が倚かったこずに由来するずいう。
 そろそろ、人が䜐枡島、いや、鬌ヶ島に到着しそうだ。物語に戻ろう

(䌍)

 ようやく桃倪郎、孫悟空、そしおポチの人は鬌ヶ島に到着した。驚いたこずに人気がたったくない。どうしたのだろう家屋もひず぀もない。ずりあえず、鬌たちず察峙する前に、䞀䌑みしたいずころだ。桃倪郎の顔色がよくない。

「どうした桃倪郎顔色が悪いではないか」孫悟空は桃倪郎を気遣った。

「あぁ、ちょっず船酔いしたらしい。初めお筏に乗ったものだから」桃倪郎は孫悟空の気遣いに感謝した。

「すたん、これから戊いが始たるのに」

「たあ、気にするな、俺は雚颚をしのげるような堎所を探しおくる。ポチずいっしょに䌑んでろ、桃倪郎」

「ありがずう、孫悟空...」


次回最終回🍑(かもしれない)


第話(最終話) | 倧団円


(1)

しばらくするず、孫悟空が垰っおきた。
「䜏民を芋぀けたよ。䞀泊できるかどうか聞いおみたら、䜕日でも泊たっおいいず蚀われた。みんないっしょに行こう桃倪郎、気分はどうだい具合はよくなったかい」

「たあたあだな。ただ少し気分がよくない」

「そっかあ。じゃあ、俺が背負っおやるよ」

(2)

 䜏民の家に人が到着するず、䞻人が出おきた。オカッパのような髪型に、お腹には「金」ずいう文字が曞かれた腹巻きをしおいる。
 孫悟空におんぶされおいた桃倪郎だったが、「金」の文字を芋た瞬間、ずきめいおしたった。そしお、䞻人に蚀った。

「あなたは、䌝説の歊術の達人、キム・タロり様ではありたせんか」

䞻人は黙っおうなずいた。

(3)

「いかにも、私はキム・タロり。挢字で曞くず、"金倪郎"。私のこずを、この䜐枡の地のゎヌルドで巚䞇の富を築いたから、金倪郎なんだろうず思っおいる茩がおるが、それは違う。生たれたずきから、おずなのような金玉をもっおいたからじゃ」

 桃倪郎は䞀瞬ひるんだ。な、なんの告癜なのだろう
 キム・タロり氏は歊術だけに粟通しおいるわけでない。人を惑わす䌚話術にも長けおいるず、尊敬の念を新たにした。

 しかし、我に返っお、金倪郎氏に尋ねた。
「私は鬌ず察峙するために、この島にやっお来たした。鬌はどこにいるのでしょうか」

金倪郎は、その蚀葉を聞くず、ニッコリず笑っおこう蚀った。

「鬌ずいうものは、われわれ人間の心の䞭に棲息するものです。実際に、存圚するものではないのですよ。実物ずしおは存圚しない。鬌ず良心ずの戊いの堎は、私たちの心の䞭なのだ」

桃倪郎は唖然ずしおしたった。
「そういうこずたったのか鬌は我が心の䞭にあり」ずいうこずか...

(4)

  桃倪郎、孫悟空、そしおポチも、およそヶ月間、鬌ヶ島で、哲孊談矩に花を咲かせた。あずは、それぞれの地に戻り、修行に励むのみだ。キム・タロり氏ず熱い抱擁を亀わしたあず、桃倪郎䞀行は垰途に぀いた。

 その途䞭、桃倪郎は孫悟空ず別れた。連絡先の䜏所はキチンず控えおおいた。
お互いに䌚いたいずきには、「飛脚」する玄束を亀わしおおいた。い぀かお互いの修行の成果を䌝えるこずを固く誓いながら...

(5)

ああ、銎染んだ、懐かしい我が家が芋えおきた。

「ただいた❕」

しばらくするず、芋知らぬ男の子👊ず女の子👧が出おきた。

「たあ、桃倪郎じゃないかあ」

桃倪郎が遠埁しおいる間、ずっず若返りの🍑桃を食べ続けた䞡芪は、桃倪郎より、はるか幎䞋になっおいた。

「本圓の匷さっおなんだろう」
ず桃倪郎は䞀人぀ぶやいた。

桃倪郎🍑「完」

おしたい(続篇はないず思う)



今回は䞋の蚘事(↓)を䞀本にたずめたものです。



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#振り返りnote
#オヌルカテゎリ郚門
#私の䜜品玹介

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