ゲッコーの夜
地球最後の遊技場、大阪第7ビルが放つ光は月光が霞むほどだ。賭博中毒労働者、アウトロ、権力者らが階層ごとに分かれ謎めいたカネの流れを生み出す腐った塔。ネオンと喧騒は嫌いではないが、糞は糞だ。滅びてしまった方がいい。
「ヘケートもそう思わない?」
『ファック、さっさと飛んで!』
糞でもどうせここでしか生きれない。私は少し息を吸い、そのまま海上666mのビル屋上からダイブした。
『84F、標的は窓際、計画どーり!』
BANG!
高速落下からの銃撃、警護が間に合うはずもなく。割れた窓の向こう撃った男の顔を見る。政治家だか財界人だか。何でもいい。その場の少女の有様を見て、そう思う。昔よりはまだ…まだマシな依頼だけで済んでいるのはヘケートのお陰だろうか。
更に200m落下して外壁に捕まる。常人には耐えがたいGが腕に伝わるが機械腕が伸び衝撃を殺す。
私、蛇モデル改造人間サファイアは大阪第7ビルに潜む罪深き殺し屋である。
【続く】
あなたのお金で生きています