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【観た人の記憶の1ページになれたら】森安音仁 インタビュー

ピカレスクで2023/8/27まで開催していた「ピカレスク・ニュー展 Vol.4」にご出展いただいた森安音仁さんにインタビューしました!

『ピカレスク・ニュー展』は、「気軽に行けるけど特別な気持ちが味わえる」というピカレスクのコンセプトを体現する展示会として誕生し、アートギャラリーに訪れたことがない方でも、気軽に様々なジャンルの作品との出会いを楽しむことのできる企画展です。

ガラスと金属の組み合わせから表現される、森安音仁さんの空想、感情、記憶…
作品と共に紡ぎだされる、深く穏やかな物語を、是非じっくりとお楽しみください。


ー初見のお客様に向けて、簡単な自己紹介をお願いいたします。

森安音仁:ガラスと金属を組み合わせ、そこで生まれる色や質感を扱い、自身の空想や感情を元に作品を制作しています。

ー現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えていただきたいです。

森安音仁: 心情をテーマに作品制作をしてきた中で、自分の心と向き合った際、心の中や記憶というのは海と似ていると思ったことがきっかけです。

そこから海や舟、漂流物、錆びてたものをモチーフにして自身の感覚を表現しています。

ー現在用いている素材や、表現ジャンルに行きついた理由を教えていただきたいです。

森安音仁:素材はガラス、金属です。私はガラスの魅力について、外部から光が入り、中で様々な変化をして外に光を生み出すことだと考えています。また、金属の魅力は、ガラスの質感を際立たせる、その反射する光沢にあると思います。

私は、ガラス、金属という二つの素材の組み合わせから生まれるものを新たな素材と考え、その可能性に満ちた素材に寄り添いながら追求し制作しています。

ー普段作品を制作する際、参考にするものやインスピレーションを受けているものはありますか?

森安音仁:海、川、湖、浜辺、山、漂流物、木の実、など、自然からインスピレーションを受ける事が多いです。

実際に体感して、そこから生まれる感情を大切にしています。

ー影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

森安音仁:クリストファー・ノーラン監督。ガラス作家 Robin Cass

ー作品を制作する際に心掛けていることや、作品に込める想いをお聞かせください。

森安音仁:本の表紙や挿絵のような、何かそこに物語があるような作品を制作したいと考えています。

観た人の記憶の1ページになれたら幸いです。

ー作品展にご出展いただいた作品、それぞれのコンセプトを教えていただけますか?

【 Blurry stone ⠀】
近い記憶だからといって鮮明にみえるものでもない。
近ければ近いほどぼやけてしまう。
この身近な記憶の形を探る。
浜辺にある石よりも沖の砂の方がより情報の密度を感じる。
見逃していたことも時間をかけて、
解像度を上げることで見つけることが出来るかもしれない。
研磨される前の半透明の記憶は浜辺の石のようだ。
たまには舟旅から浜辺にもどって石を拾うのもいいかもしれない。

【 tsumukuri ⠀】
つむくり。こま。独楽。ひとりで楽しむこと。
手で触りながら形を確かめたり転がしたり、飾って目でみて確認する。その行為は自分を確かめることに繋がるのではないかと思った。

【 Need for your journey ⠀】
いつかの誰かの何かの旅に必要な道具。

ーピカレスク・ニュー展にご出展された作品のポイントや、こだわりを教えてください

森安音仁:ガラスの熱で沸騰させて布を染めてみたり、ガラスの外や中に金属を入れてみたり、削った後を残してみたりと、質感にこだわりを入れたので是非触って確かめて下さい。

ーお客様に向けてメッセージをお願いいたします。

森安音仁:作品から少しでもガラスの透明だけではない魅力を伝えられたら幸いです。
よろしくお願いいたします。

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森安音仁さん、素敵なご回答をありがとうございました。

「見逃していた事も時間をかけて、
解像度を上げることで見つけることが出来るかもしれない。」
こちらはまさに、森安さんが、ご自身の心や記憶と向き合う姿勢だ、と感じました。

森安さん自身がおっしゃっているように、ぜひ、森安さんの作品を
「手で触り」、「形を確かめたり転がしたり」、「目でみて確認」することを通して、「自分を確かめる」。
そんな体験を、ぜひお楽しみいただたらと思います。

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◇ 森安音仁 公式SNS

Instagram https://www.instagram.com/oto_hito/

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