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【水彩で描く「透明な感情」】優 インタビュー


優 個展「万華蝶」を、2024年1月24日(水) – 2月4日(日) の期間にピカレスクギャラリーで開催いたします。

今回は、優さんにご自身のことや制作エピソード、今回展示される作品についてインタビューしました。ぜひお楽しみください。


ー 自己紹介をお願いします。

兵庫県出身です。透明水彩で絵を描いています。

2017年より、企画画廊や百貨店で展示を行い、現在は個展、挿絵、グッズデザイン、楽曲アートワーク、アパレルコラボなどのご依頼をお受けするなど、画家・イラストレーターとして活動しています。

淡く憂いを含んだ作風で、花や少女などをモチーフとして描き、
「透明な感情」を表現しています。

ー 現在の作品の世界観が生まれたきっかけを教えてください。

苦しいときにいつも、絵をはじめ美しい景色や植物、物語、綺麗な洋服など、自然や人の生み出した美に救われてきました。
そして自分も、美しいものを描きたいと思うようになりました。

少女や花やレースなど、自分が美しいと感じるモチーフや表現を突き詰めていきたいです。その中でも花は、生きることそのものに重なっているようで好きです。

孤独感や悲しみなど、誰にも共有できない暗く複雑な感情を絵として昇華させるようになったことは、今も作品づくりの基盤になっています。観てくださる人のさまざまな感情に寄り添える作品が作れたらいいなと思います。

ー 現在使用している素材で作品をつくる理由を教えてください。

透明水彩特有のにじみ、ざらりとした質感や透明感の美しさに魅了されています。

デジタルは思い通りの表現がしやすいところがいいなと思いますが、偶然性によって生み出されるにじみの姿形は、予想外の展開をもたらしてくれるところが難しく、そしておもしろく、美を感じます。

また、無機質すぎず、温かみのある透明感を表現できるところが、
「透明な感情」をテーマとした作品を描く自分の作風に合っていると感じています。

ー 普段、何からインスピレーションを受けていますか?

絵のテーマやモチーフは、日々の中で出会う感情や思考が元になることが多いです。この感情は残しておきたいと感じたときはメモしていて、そこからイメージが浮かんできます。

美術館に行ったり、小説やエッセイ、詩集を読んだり、映画を観たり、旅先での空や水面など綺麗な景色を観たりする中で、さまざまなヒントを得ています。

ー 影響を受けたアーティストや、作品はありますか?

椎名林檎さんの世界観や作品づくりに、絵や人生において大きな影響を受けました。歌声やメロディだけでなく、曲名や歌詞の言葉が好きです。想像が膨らみ、深い意味や意志を感じて、これまでにたくさん感動してきました。

その影響もあり、絵のタイトルは吟味してつけています。観てくださる方の想像が膨らみ、深く味わってもらえるような作品を目指したいと思います。


ー これからどんな作品を作りたいですか?

抽象と具象の混じり合った表現を追求したくて、バランスなど日々模索中です。アクリルや油絵で抽象画も描きたいですし、描いたことがないモチーフや構図など、挑戦したいものがたくさんあるので、こつこつ積み重ねていきたいです。

既存のイメージや固定概念にとらわれず、自由に描きながら、自分の軸を大切にして、自分にしか描けない世界を追求していけたらと思います。

ー ご出展いただく作品のコンセプトを教えていただけますか?

「万華蝶(ばんかのちょう)」

「美しいものだけをみていたい。それは万華の蝶のようなものだ。私は逃れたい。此処から、今すぐに」

これは、過去に「Escape」という作品に添えた文章です。この文章から「万華蝶(ばんかのちょう)」という造語が生まれて、今回の個展のタイトルになりました。集大成の気持ちも込めて、今の自分の描きたいもの全ての象徴です。

この世界の外側で、少年とも少女ともつかない子供のような人物が、翅(はね)に花模様を携えた蝶が舞い落ちるのを眺めている構図です。

「嘘」

身体の一部が欠損して、欠けた部分にアメジストと紫陽花のイメージを融合させました。姿を表した瞬間から少しずつ欠けて戻らない「嘘」のイメージです。

猜疑心(さいぎしん)で見えなくなった相手の心の姿をイメージして、宝石の色を奥に向かって徐々に暗くしていきました。そして、そこにあった信頼の心を、透き通った輝きで表現しました。

「壊れた月光」

壊れた月光の欠片が、未だそれぞれ光を宿しているように、大切にしていたものが壊れてしまっても、嘘は一つもなかった、本当だったという祈りのような気持ちを表現しました。

生きていく中で様々なものを喪い、時に壊れてしまうものもありますが、それらを惜しむよりも、たしかにあった輝きを持って、今を生きていけたらいいなと思ます。

ー お客さま、ご来場予定の皆さまにメッセージをお願いします。

東京での個展開催は、活動を始めてからいちばんの目標でした。
今回、ピカレスクギャラリー様に機会を設けていただき、とても嬉しく思っています。いつも観てくださっている皆様のおかげです。ありがとうございます。

活動を始めてから現在にいたるまで、描きたかったものをなるべく全て出すつもりで描きました。半数以上が新作となっていますので、楽しんでいただけますと幸いです。

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優さん、たくさんの貴重なお話をありがとうございました。

皆さまはどのエピソードが心に残りましたか?
ピカレスクスタッフは、「透明な感情」というキーワードが印象的でした。わたしにとっての「透明な感情」とはいったい何だろう?
そう考えながら優さんの作品を見たときに思ったのは、「ありのままの自分」です。毎日を過ごすなかで、いろんな感情がまじりあい、色で表現したら「透明」ではないかもしれないけれど、ありのままの自分を受け入れることができたら、それはひとつの「透明な感情」なのではないかと思いました。

優さんの東京での個展は、今回が初開催となります。皆さまのお越しを、お待ちしております。

優 個展「万華蝶」

〈会期〉2024年1月24日(水) – 2月4日(日)

〈詳細〉https://picaresquejpn.com/yu_exhibition_2024/

〈優 公式SNS〉
X(旧Twitter) https://twitter.com/yu_blueflower?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
Instagram https://www.instagram.com/yu_blueflower/?hl=ja
HP https://yu-illustration.myportfolio.com/

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【基本営業日時】
*営業 水 - 日・祝 11:00 - 18:00
*定休 毎週月火
*会場 Picaresque Gallery
*住所 東京都渋谷区代々木4-54-7
*電話 070-5273-9561

■開催中&過去に開催した展示一覧
https://picaresquejpn.com/category/information/

■開催&開催予定の展示一覧
https://picaresquejpn.com/exhibition-calendar/

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