心をこめて弾くために
前回の記事「プロになるための練習」
では、練習に対する姿勢をどのように傾けていくか書きましたが、周りからプロと認められ始めても、それは決してゴールではなく、そこから先がとにかく長いのがピアニストの人生。
どんなに巧みな技巧を手に入れられたとしても、そこ止まりでは、浅い音楽家人生に飲み込まれてしまう。
音楽を奏でるとき、最後に大切なのは、やはり「心をこめられるか」どうか。
「心をこめる」には、そもそも、その心を育てていかなくてはならない。
心を育てるには、人生としっかり向き合うことが大切。
やらなくてはいけないこと、立ち止まらなくてはならないとき、そうした回り道にも、たくさん心を育てるチャンスが眠っている。
好きなものだけ見て、好きなことだけ考えて、好きなものだけやっていて、好きな人とだけ関わっているだけでは、心の成長に必要な栄養は偏ってしまう。
生きていると、目をつぶりたくなること、逃げ出したくなること、関わりたくないことなどにも、たくさん出会う。
そこで、どう向き合うかが、心を育てる。
偉そうなことを書きましたが、たくさん目をつぶって、たくさん逃げて、それでもやっぱり音楽を続けていると教えられるメッセージなので、思うままに記しました。
色々な経験を経て、私もやっと、音楽に向き合えるスタートラインに立てた気がします。
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