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音楽のお好きな方と・・・!

昨年の2021年に、デビュー20周年記念のピアノリサイタルを開催しました。大阪出身の私が、途中育児期間でお休みしたものの、東京と関西でよく20年も演奏活動を続けてこられたなあと、しみじみ思います。日本のクラシック音楽界では、ソリストを目指すほとんどの人が国内外の音高・音大で学びながら国際コンクールに挑戦し、その中で特に有名な国際コンクールに上位入賞した人だけが大手音楽事務所に所属して、日本各地で活動する、というシステムのようになっています。それ以外では、特別なストーリーやタレント性を持った人がTVで取り上げられ、人気が出て活躍する、というケースも稀にありますが、ほとんどの場合は、演奏会をしたければ自分で企画をし、自分で集客して演奏しているのが現状です。

今のヨーロッパはよく分かりませんが、私がベルギーに留学していた頃は、それぞれの街に音楽ホールがあって、そこには耳の肥えたマネージャーがいて、その人が演奏家に声をかけて1年間のコンサートスケジュールを決めていました。地域の人はその人を信頼して毎月のコンサートに出向き、そこでいつもの顔馴染みの人に会って、音楽を聴きながら楽しく社交もするという文化が、生活の中に溶け込んでいました。私も当時はいろいろな場所で演奏させていただきましたが、演奏者はただ演奏の準備をして、当日弾きに行けばいいので、演奏にだけに集中できる理想的な環境でした。

ところが、日本には、そういう文化が根付いていないため、ほとんどの演奏者はまず自分で(または音楽事務所に頼んで)ホールを予約し、チラシを作って集客までして、やっと演奏を聴いていただける、という状況です。留学を終えてデビューリサイタルを開いた頃は、その違いに愕然としつつも、まずは最初の1回をやってみよう、と夢中で準備していたのを思い出します。

ただただ好きなピアノを続けて音大に入り、音楽をより深く勉強したいと思って留学までしましたが、その頃の私は、何が何でもピアニストになりたい、と思っていたわけではありませんでした。デビューリサイタルも、「留学から帰ってきたなら、リサイタルは開くものでしょ」とある先生に言われて、そんなものか、と思って準備を始めたぐらいです。

その時住まいのあった東京と、地元関西の2か所で開催することにし、へとへとになって準備したリサイタルでしたが、終わってみると、聴いてくださった方々がとても喜んでくださって、そうした声が思った以上に励みになりました。私の中でも、次はもっといい演奏を聴いていただきたい!という欲も出てきて、来年も、またその次も・・・と続けるうちに、今に至っています。

リサイタルを企画していて、いろいろ大変なことはありますが、何が一番大変かと言えば、集客です。演奏会はお客様がいてくださって、はじめて成り立つもの。大変大変と思いながら20年間続けてきた演奏活動ですが、その一方で、ある種の手ごたえのようなものも感じていました。それは、一度何かのご縁で聴いてくださった方々が、その後も毎回のように来てくださっている、という嬉しい状況です。そのような方は、他にもきっといらっしゃるはずだけれど、まだ出会えていないのでは・・という気が前からしていました。

毎回のように来てくださる方・・・、様々な方がいらっしゃいますが、もともと音楽好き、という方が多い気がします。趣味で音楽をされている方や、ピアノを弾かれている方、普段からクラシックを聴かれている方など・・・。そんな方々にどうしたら出会えるのだろう、と考えていたところへ、この「note」のことが頭に浮かびました。そのような方々にこの場で出会うことが出来れば、最高に嬉しく思います。

また、私のリサイタルでは、演奏前に簡単な曲目解説のトークを入れていることもあり、クラシックは初めてだけど、解説があってすんなり曲の世界に入れて楽しめた、と言ってくださる方が聴き続けてくださるケースも多くあります。ですので、今までクラシックは身近ではなかったけれど、チャンスがあれば聴いてみたい!という方々とも、是非お知り合いになることが出来れば嬉しいです。

ここでは、今まで自分のウェブサイトで書いてきたブログの感覚で投稿していきますので、読んでいただけた方はコメントなどいただけると嬉しいです。ここでお知り合いになれた方に、実際に演奏を聴きにいらしていただいて、終演後にお目にかかることが出来れば・・・などと夢見つつ、楽しい記事の投稿をがんばりたいと思っています!

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