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生活期リハビリの現状①

まずはじめに、リハビリは

①心身機能構造 (手足の動き、痛みといった身体の働きに関するもの)

②活動 (食事、排泄といった、より日常生活に必要な行為に関するもの)

③参加 (家庭内役割や職場での役割など家庭や社会に関与し、役割を果たすこと)

といった3つの生活機能レベルを軸に、対象者の問題点や今後の目標を設定することが多いです。

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引用:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000162530.pdf

病気を発症して間もない急性期〜回復期と呼ばれる時期は、心身機能レベルに焦点が当てられるのに対し、発症後ある程度時間が経過した維持期・生活期と呼ばれる時期には、活動・参加レベルに焦点を当てたリハビリが必要とされています。


しかし、実際のところ、

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引用:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000065195.pdf

生活期のリハビリでは、関節を動かす、筋力をつける、歩くといった身体機能や活動レベルに焦点を当てたリハビリが行われおり、参加に向けたプログラムがほとんどないのが現状です。

実際のところ、下図に示したように、サービス利用者の多くは、歩行・移動に一番問題を感じているようです。

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引用:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000168706.pdf

もちろん、利用者さんが一番困っている課題である歩行を目標にリハビリを行うことは良いことだと思います。

ただ、どの程度、歩くことが出来れば目標達成なのかを明確にすることが重要あり、参加レベルの目標を踏まえた歩行練習を行う必要性があります。

例えば、「スーパーで買い物をするのに、20分程度歩かなければならない」ということであれば、

①20分間の連続歩行ができる

②人を避けながら歩くことができる

③買い物かごを持って歩く

などといった、具体的な歩行の目標が立つと思います。

このように、参加レベルの目標をしっかり立てた上で、活動、心身機能レベルの下位目標を立てられるように、リハビリスタッフは心がけて行かなければいけないと思います。


実際のところ、患者さん自身も、今後の生活の見通しが不透明で、なかなか参加レベルまでイメージしにくいことも多いです。

急性期〜回復期と、身体機能・活動レベルに焦点を当てて、リハビリを行ってきたにも関わらず、生活期で突如、参加レベルに焦点を当てて物事を考えることは困難だと思います。

生活期のリハビリスタッフだけでなく、急性期〜回復期から、参加に目を向けた介入を行っていくことで、生活期の目標設定をし易くなるのではないかと思います。



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