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佐賀大学 2023年度


  1. 第1問:万有引力のもとでのロケットの運動
    第2問:熱効率,等温変化と断熱変化の比較
    第3問:直流回路におけるコイルの振る舞い
    第4問:いろいろな状況でのくさび形空気層の干渉

  2. 第1問では初め等速円運動をしているので運動方程式に従って運動する。その後,分裂を行うが2物体に外力が働かないことから運動量保存則に支配された運動となる。楕円軌道ではケプラーの第2法則とエネルギー保存則により速さを決定していく。
    起こる現象を理解したり,それらを支える式にたどり着くことは難しくないが,計算がやや煩雑なので計算処理能力が試されている。

  3. 第2問のはじめは熱効率を求める問題となっている。モル比熱を苦手とする学生は多いが,熱力学第1法則を経由するよりも早く処理できるため,ぜひ慣れておいて欲しい。どの過程で熱を吸収,放出するかしっかり追っていけば,熱効率まで難なく求められるだろう。熱効率については解答に示した2種類を覚えておくのがオススメ!

  4. 第3問の始めは「スイッチを入れた直後」と「スイッチを入れ十分時間が経過した」場合のコイルの振る舞いを暗記しておけば計算できたと思う。(4)について,通常自己誘導起電力は①自己インダクタンスが与えられている状況で②I-tグラフの傾きを求め,③①と②をかけることで求めるという流れが多い。しかし今回はこれを逆走する形で解いていく必要がある。問題演習の際に「結局何が起こったのか」と問題の全体像を見ることをしてこなかった学生には難しかったのではないか。

  5. 第4問はくさび形空気層による干渉の典型的な問題だが,下側からの干渉の式を書かせたり,液体を入れた場合を答えさせたりと,状況に応じて立式する必要があった。理由を考えずに結果だけ暗記するなどという間違った学習の仕方をしていると難しいかもしれない。

  6. 今回の解答は小問の順番より全体の流れが理解しやすいことを優先して作成した。本番ではこのような解答を作る必要はなく,1問1問に素早く正確に解答できればよい。

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