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自分のライフストーリーを生きる ⑤


私たちのライフストーリーは、生まれた時から慣れ親しんだ特定のルールに沿っています。

人それぞれの人生は、ユニークなものかもしれませんが、ライフストーリーには、文化的背景が影響するようです。


現代の西洋文化では、ライフストーリーは、主人公の家族、特定の原体験(formative experience)、内面的に洞察を得るような経験や、はっとするような啓示によって形成されます。
そして、それらが後々の進路を示し、成功や失敗へ進展して行きます。

原体験(formative experience)とは、記憶の底にいつまでも残り、その人に何らかの形で残り続ける幼少期の経験です。

例えば、「ハックルベリーフィンの冒険」の主人公ハックは、残忍な父親から逃れて、ミシシッピー川沿いの様々な偽善者との出会いを通して学び、自分自身の倫理基準が正しいことを悟ります。

「ジェーンエア」では、孤児だったジェーンは、辛い子供時代を耐え忍んで、支配的なミスターロチェスターに立ち向かうことによって、自分自身の能力を認識し、望み通りにロチェスターのもとに帰ります。

自分の物語を語るとき、一般的に西洋人は、以下のような古典的な物語の筋道に沿って語る傾向があります。

*特定のタイプの家庭に生まれる
*キーになる幼少期の経験
*ターニングポイント
*挫折を克服する
*最終的な成功

また、異なる文化の人々は、自分の人生を違う方法で見ていて、人生をどのように見るかは、文化的な価値観によって形成されているようです。

例えば、北米の成人は、東アジアの成人よりも、子供時代の思い出の詳細を早い時期に物語ります。

ヨーロッパ系のアメリカ人は、中国の成人と比べて、一回限りの出来事をより記憶し、その出来事に対する個人的な役割や、感情的な反応をも同様に記憶しています。

中国の成人は、社会的で歴史的な出来事をより多く記憶し、彼らの社会的相互作用を強調します。

ある研究によると、典型的なドイツ人と日本人のライフスクリプトを比べたところ、「結婚、就職、子供を持つ、入学、親の死」の5つのイベントが共通していたそうです。

しかし、日本人のライフスクリプトには、「高校受験、成人式、七五三」という独特な人生の節目のイベントが含まれていますが、ドイツ人のライフスクリプトに含まれる、「実家を離れる、初めての性体験、祖父母の死」という3つの主なイベントは、日本人のライフスクリプトには欠けているそうです。


また、リサーチャーによると、主流の文化から外れた少数民族や、社会の主流から外れている文化的マイノリティの人々は、独自の視点からストーリーが語られることを示唆しています。

ドイツと日本を対象にした研究では、日本が大切にしている慣習の影響が浮き彫りになっていて、特に興味深いと思いました。

自分がライフストーリーを語るとしたら、どんなスクリプトになるだろうかと考えてみることで、自分の価値観や大切にしていることが、環境によってどのように影響を受けて、変化しているのかを客観的に見ることが出来るのかもしれませんね♪





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