見出し画像

ものぐさ炊飯事情

私は最近、お米を鍋で炊いている。
炊飯器は持っているが、釜の中が小物入れになっている始末で、もうしばらく使っていない。

炊飯器に頼らずにお米を炊ければライフラインが途絶えるような非常事態に役に立つのではないかと思ったのがきっかけだ。
私はアウトドアもしなければ、毎日ぬくぬくと文明の力を頼りに頼って生きているので極限状態では生き残れないと思う。
少しでも生存確率を上げるためのトレーニングをするべきだと思った。
いつも努力の方向がちょっと変なのだ。

そんなきっかけで始めた鍋炊飯だけど、嬉しい発見があった。
鍋は炊飯器より短い時間で炊けるのだ。

炊飯器はスイッチを押せば1時間ほどで勝手に炊いてくれるので確かに重宝なのだけれど、1時間は長いと思っていた。
一度に5合の米を炊いて冷凍ご飯にしておく派ではあったが、冷凍ご飯を切らしてしまった時の炊飯1時間のもどかしさったら半端ではないのである。おかずは出来上がっているのに炊飯器のあと10分の表示を待つ時間は1万年にも感じる。

その点鍋は20分そこらでご飯が炊けてしまう。
「20分じゃ炊けないよ、50分はかかる。」と言う「きちんとした人」の声が聞こえてきそうだ。
それはそうだ。きちんとした人はきちんと浸水させるんだろう。
私はしない。
浸水しなくても炊けることに気づいた。
浸水させたほうがふっくら芯まで柔らかく仕上がるが、浸水させないでもそれなりに炊ける。
浸水させて炊いたご飯が100なら、させずに炊いたものは80くらいの満足感。
日常においてこの違いは私にとっては微差だった。
たまにしか米を食べないつれあいからは顰蹙を買っているけれど。
それでも冷凍ご飯より炊き立てご飯の方が数倍美味しい。
パンもご飯も出来立てが美味しいのは世の常だと実感した。
寝かせて美味しくなるのは、漬物くらいだろう。

コロナ初期の右往左往している時期に打ち寄せたアウトドアの波に浸かろうと、張り切って購入して結局出番少なく棚の奥で忘れかけていたコッヘルも、鍋炊飯に一役買っている。
閉塞感で満ちた日々に外珈琲をしたらさぞ気持ちがいいだろうと買ったコッヘルだが、1合の米を炊くのにちょうどいい大きさなのだ。
そして小さい分、鍋よりも少し早く炊ける。
炊飯器のお釜より断然小さくて軽いから、洗うのも早い。
夜に食べきれない分はおにぎりにして翌朝・昼に。
結果、炊き立てご飯が美味しいからほぼ毎晩ご飯を炊いている。
短時間で美味しいものにありつけるなら、毎日お米を炊くのも苦にならない。
夜ご飯を作る延長だから鍋炊飯に慣れてしまえば、冷凍のためにご飯をラップにつつむ単純作業より楽しい。

人に話せばマメな人ねと感心されるけど、実はとっても大雑把で楽をしている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?