【書店さまが選ぶ当店のイチオシ!】
PHP文庫フェア
戸田書店高崎店 須藤ゆかり様
【取材・文】PHP研究所東部書店普及部 仲谷誠弘
当店は1985年4月に開店、高崎市内のロードサイドにお店を構え、児童書から理工書をはじめとする専門書まで、さまざまな書籍を読者に提供している書店です。お客様はご年配の方からビジネスマンまで、週末にはファミリ ー層にもご利用いただくなど、客層は幅広く、書籍や文具以外にも、CDやレコード、美術品の売り場を特設するなど、お客さまの あらゆるニーズにお応えできるように取り組んでいます。
私の担当は文庫・新書売り場でして、今回のイチオシは、PHP文庫の売り伸ばし策になります。
2020年4月、緊急事態宣言の発令により、多くの出版社が出張を自粛しました。PHP研究所も同様で、出張自粛により情報量がかなり少なくなりました。しかし出版業界は、とくに地方書店では巣ごもり需要の特需があり、売り上げは伸びていました。実際にPHP文庫の販売実績も、 2020年4月から同年9月のあいだは前年比122%と伸びていました。しかしその後、巣ごもり需要の効果が薄れることにより、販売実績は落ちていきました。結果、2020年10月から翌2021年9月までのPHP文庫の販売 実績は前年比81%と、非常に厳しい状況に陥りました。
その要因を考えてみると、コロナ禍以前はPHP研究所の営業の方が定期的に、PHP文庫の情報を伝えてくれていました。他店で何が成功しているのかがわかり、教えていただいた情報が自店でもうまくいくかを、 営業の方と一緒に考えることができました。しかし、コロナ禍後の2年間は営業の方の訪店頻度も下がり、十分な情報が得られませんでした。こ の間の情報不足が、かくも厳しい状況をもたらしたのではないか、と考えています。
こうしたなか、2201年12月にPHP研究所の営業の方が代わり、定期的な訪店が再開しました。すると以前のように、他店での情報も得られるようになりましたし、PHP文庫全体の売れ行きも上がってきている(2021年10月から2022年2月までの1年間は前年比163%)と聞きました。
この間、当店が何に取り組んだかと言いますと、2022年、年明けには拡材を設置したPHP文庫フェアをしたり、大河ドラマ関連の文庫の継続販売をしたり、他店で成功している仕掛け販売にも取り組みました。フェアをするにしても、PHPの営業の方と話すことにより拡材の用意なども容易にできるので、売り場の展開もいっそう充実したものになりまた。
大河関連のPHP文庫、『北条義時』も発売当初から3カ月で7冊販売と数字は出ていましたが、8月以降、数カ月 は実績も出ておらず、その後の注文を迷っているところでした、しかし、 営業の方が12月に訪店された際、他店でも販売状況は上がりつつあると教えていただき、注文の背中を押していただきました。結果、12月・1月だけで7冊の販売と、実績が出てきました。こうした積み重ねが、2022年1 月のPHP文庫の販売実績•前年比188%、2022年2月のPHP文庫の販売 実績・同164%という結果につながったのではないかと思います。
いまPHP文庫で当店がいちばん力を入れて取り組んでいるのは、外山滋比古先生の『こうやって、考える』の拡売です。すでに多くの書店で取り組んでいるかと思いますが、年未年始、大阪地区で大きく売れ行きが上がったと、1月に入ってすぐその情報を営業の方に教えていただき、2月の重版後から拡売に取り組みました。いまのところ、群馬県内で第2位の実績だと聞いています。
改めて思うのは、PHP文庫の売り伸ばしは、売れ良好書の情報をいち早くつかみ、積極的に展開することが大切だということです。