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学校と会社の違いはなんだろう?学校に必要なもの、会社で活躍するためにはどうすれば良いか考える

社会人において優秀とは?

私は社会人になり、その後会社を経営するようになりましたが、
経営者として最も力を注いできたのが人材の採用と教育、そして評価です。

単純に少子化で労働者人口が減っているので人材の希少性が高まっているという要因もありますが、これからは労働集約的なビジネスより、ITを活用して少数で大きなビジネスを行う時代になるため、優秀な人材の価値が相当上がっています。
なにも私だけではなく人材関係に最も力を注いでいる経営者、会社は多いでしょう。

皆さんはこの「優秀」という定義は何でしょうか?

営業職のように実績・成績が定量的に出る業務では優秀の定義はわかりやすいですが、定量的に結果が出ない業務については「優秀」の定義はどうでしょうか?

  • 学歴?

  • 資格の有無?

  • やる気?

  • 気遣い?

確かに定義は難しいと思います。
しかし仕事がやりやすい優秀な人というのは確実に存在します。

私は、私なりに「優秀」の定義を明確にしています。

それは、

社会の仕組み、業務の目的を確実に理解出来る人

です。

もう少し具体的に噛み砕くと、

  1. 部下、メンバーに現実的で具体的なゴールを提示し指示できる

  2. 求められた業務のゴールを具体的に理解できる

  3. 顧客の要求を満たせることで報酬がもらえるという仕組みを理解している

になります。

ゴールを達成できることは理想ですが、外的要因によって実現できないことがあるのでそれは定義から外しています。

どうでしょうか?

簡単だと感じますか?
それとも難しいと感じますか?

私の経験上、実はこのような事を理解し実行できている人は少ないです。

多くの人は雰囲気で仕事をしています。

無能な上司は(1)が出来ず、指示や目標設定を曖昧にし、実行するメンバーに丸投げ、そして忖度してもらいます。

結局、具体的に誰が何をするのか、責任はどこになるかわからないというやつです。

政治家の発言でこういう状況は散見されるかと思います。

そもそも物事を噛み砕き、具体的なタスクに落とし込むことは難しく、高い能力が必要になるものです。

日本人はその能力を身につける訓練をしないため、どうしても指示する側と受ける側も曖昧になりがちです。

したがって、私は物事を噛み砕ける人は優秀と評価しています。

しかし、もっと重要なのが(3)になります。

この社会の仕組みがわかっていない人が多すぎます。

若年層の方が多いですが、中堅、ベテランにおいても存在します。

お金の流れは、
クライアント(顧客) --> 会社 --> 従業員
です。

そもそもクライアント(顧客)から対価を支払ってもらう、商品を買ってもらうことが出来なければ自分の給料は支払われませんし、逆に会社が儲かれば自分の給料・ボーナスも増えます。

信じがたいことに、このわかりやすく当たり前すぎる仕組みを理解していない人が多いのが現実です。

学校は何をするべきか

確かにお金の流れを教えてくれる人はいなかったかもしれません。 

特に学校では教えてくれない内容でしょう。

それは何故でしょうか。
理由は簡単です。

教員達は民間企業の商売というものを知らないからです。
中高、大学、専門学校などの一般的な学校は民間企業と比べると非常に特殊です。
学校は、生徒・学生という名のお客様と契約し、卒業までの一定期間に教育というサービスを提供するという施設です。
私学をイメージすればわかりやすいかもしれません。
公立学校は生徒が支払うべき学費を国が補助しているだけで、基本は私立の学校と変わりありません。

民間企業も学校も収入源となる顧客がいるのは同じですが、
学校はその顧客を「生徒」という名に変え「民間企業が行う顧客への対応」を行わないのが決定的に特殊な点です。

このような環境で働く教員は民間企業の気持ちがわからないため、民間企業でのお金の流れを教えることが出来ません。

また、生徒は実質的には顧客なので、困ったら学校側に相談すれば対応してもらえたり、保護者の意見も聞き入れてもらえたりします。

つまり、生徒からすれば学校とは

  • 必要な知識を教えてくれる存在

  • 言えば対応してくれる存在

と認識してしまいます。
このような状態なので、親をはじめとした周りの大人が

「社会に出たら自分で対応するんだよ。学校とは違うよ」

と教えない限り、社会人になっても学校の延長と思っているか、または困ったら会社が対応してくると思ってしまう人材が結構多かったりします。

このように勘が鈍い人材は思慮が浅いため、自分に都合よく

「結果に関係なく労働したから賃金はもらえるはず」

としか考えません。

確かに、法律上は結果に関係なく労働したら賃金を支払う必要があるため、従業員は賃金を得ることはできます。

極端な話し、座っているだけでも給料はもらえます。

しかし、どうでしょうか。

それでは社会人として優秀には程遠く、その後の社会人人生の未来は明るいとは言い難いですよね。

今ではN高やS高のように現代的な実践的技能を学べる高等学校が出来始めていることは非常に素晴らしいことだと思います。

それらの学校に限らず、一般教養として次のカリキュラムが増えると学校や生徒としても有益なのではないでしょうか。

  • コミュニケーション学
    人に伝える/聞く能力、的確な質疑応答、グループワーク能力

  • 現代社会学
    取引の仕組み、人材開発/評価の仕組み、組織形成の仕組み、学問と業種の関係

失われた30年の日本。
有名大学に入って、上場企業に就職すれは幸せになれるという方程式は完全に終わっています。

こんな方程式を盲目に30年も信じ続けたため不景気から復活出来ないとも言えると思います。

日本が自力で復活するには若いうちからの現実社会を受け入れ、実践的な能力を身につける事が必要なのではないでしょうか。

それでは。

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