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将来の夢を語る!アツい大人に会いに行く(男旅 vol.6 岐阜)

2021年の夏休み、関西帰省〜直島男旅を終えて2週間後。また長男と四男を連れて男旅にでかけました。

今回の目的地は、岐阜県 瑞浪町で50年前の別荘をリノベーションして、行列のできる天空カフェ 清涯荘(https://seigaiso.com/) を経営している溝口さんにお会いすることです。

前回のnoteで、長男が美大の建築を目指すことになった経緯をお伝えしました。

この中で、僕自身が美大の建築を卒業してからのキャリア形成をよくわかっていなかったので、Facebookでこんな呼びかけを投稿しました。

すると、Facebookでつながっていた溝口さんから返信をいただきました。

溝口さんとは共通の起業家向け勉強会に所属しています。横浜と岐阜で離れているので、Facebookではつながっていましたが直接お会いしたことはありませんでした。しかしながら、ご自身で古別荘をリノベーションして、行列のできる天空カフェとして蘇らせた、というお話を聞いて「いつか話しを聞いてみたい!」と興味を持っていました。まさか、このタイミングでつながるとは!ご縁を感じてさっそくアポを取らせていただきました。

横浜から岐阜まで、高速を使えば片道3〜4時間の工程です。せっかくなので子どもたちになにか体験してもらいたいと思い、愛知県の豊田市美術館に立ち寄り、岐阜県の岩村という町に宿泊しました。岩村はNHK連続テレビ小説「半分、青い。」のロケ地です。城下町の情緒をほどよく残した町並みを歩くと、一昔前にタイムスリップした感覚になります。

今回の宿は築200年以上の町家を復元した民宿です。ゲストハウスのリーズナブル料金ながら、床の間のあるキレイな和室に宿泊できました。我が家はマンション住まいなので、子どもたちは和室にある大きな座卓すら珍しいようで、やや興奮気味に眠りにつきました。

翌朝、岩村から中央自動車道を横切って、瑞浪の天空カフェ「清涯荘」に向かいます。車一台が通れるほどの細い道を登っていった先、標高500mの別荘地に到着しました。6000坪の敷地にあった雑木林を、溝口さんが自らの手で伐採したところ、遠く名古屋市街まで見渡せる絶景が開けたそうです。

僕たちが訪れたのは平日でしたが、カフェは満席でした。眺めのよいテラス席に案内していただき、ヴィーガンを中心としたランチメニューをいただきました。8月ながら標高500mの高台にあるので、気持ちいい風が吹き抜けます。僕と溝口さんが所属する勉強会の先生がこの場所を訪れたときに「いい気がめぐる場所」と表現したそうです。たしかにここに座っているだけで、身体が浄化され一段高い思考ができるように感じました。

ランチを終えると、溝口さんが席にやってきて長男と話をしてくれました。長男から、美大の建築ではどんなことを学ぶのか?将来の仕事のイメージは?アルバイトはできるのか?など、学生の視点で質問して、溝口さんが丁寧に答えてくれました。おかげで長男は数年先のビジョンが明確になったようです。

また、溝口さんはご自身の構想をプレゼンしてくれました。この別荘地だけでなく地域の再開発を取り入れて、癒やしをテーマにしたリゾートを生み出す構想です。バブルのような派手な箱モノリゾートではなく、余計なものを手放して自分らしくシンプルな生き方を具現化できるビジョンです。またプレゼンだけでなく、完成イメージに沿ったアーティストのシェアハウスや屋上の建築現場を案内してもらいました。

「こういうことをやりたい」って夢を語れる大人ってそんなにいないし、実際に手を動かしている大人って本当に希少です。溝口さんは時代性を背景に個人の事業規模で手がけられる限界値まで夢を実現しようとしています。おまけに建築の仕事を経験されているので、完成図面をご自身で描くことができるんです。僕はDIYとか自分でやってみることが好きなんですけど、リゾートそのものを自分で設計できる溝口さんをすごく羨ましく感じました。

溝口さんも地方ならではの”やりにくさ”をたくさん感じているそうですが、やりたいことが明確でしかも自分が持つ技術を使って夢を一つ一つ実現していく。理想的な大人のライフスタイルを見ることができました。

僕が子供のころ、1980〜1990年代はまだ将来が明るかったように思います。しかし2020年代のいま、日本の国際競争力が失われて明るい未来を描くことが難しくなっています。勉強していい大学に入って一流企業に入っても、会社のパイが拡大しないので出世できるかわからない。じゃあどうしろと?

こんな時代だからこそ、溝口さんのように夢を語りつつ自分で手を動かせる大人がもっともっと世に出て、日本中の若者がそうした大人を見て希望を持てる世の中になってほしいですね。

今回の旅で撮った、僕の「いい写真」、屋上の建築現場でプレゼン資料を手にする溝口さんを撮った写真です。

僕にとって「いい写真」とは、人生のかけがえない瞬間を残した写真です。

ご自身のプレゼン資料を手に、建築現場に立つ溝口さん。これからリゾート計画がどんなふうに展開するか誰にもわかりません。けれど、何十年後かにこの瞬間を振り返って「俺は挑戦したんだ!やったんだ!」と誇れる人生を歩みたいと思いました。

あなたにとって「いい写真」とは何ですか?



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