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人文系大学院生(修士)の就職活動

こんにちは。わたくし、人文系大学院生(修士)の22卒です。専門は分析哲学です。ちなみに、noteに投稿するのは初めてです。情報が極めて少ない人文系院生の就職活動について少しでも情報提供出来たら、という思いで書かせていただきます。ちなみに記事のメインは3-1です。

0 記事のターゲット

⇒大企業志向でない文系大学院生

ちなみに私のスペック…中高は運動部。高校はけっこうな強豪校。大学はスポーツ系サークル。バイトは教育関係で学生リーダー。学部と院は旧帝早慶レベル。

1 就活の流れ

M1の5月頃…サークルの後輩(B3)に「就活してるか?」と聞かれて就活が始める時期の早さに仰天する。就活を始める。とりあえず五大シンクタンクのインターンに申し込んでみる。あとアカリクとoffer boxに登録する
M1の6-9月頃…インターンに全落ちする。気が向いたときにoffer boxのプロフィールを更新。いくつかオファーを貰う。
M1の10月頃…オファーが本格的に増えてくる。オファーを貰った企業の人事とのリクルーター面談、選考説明会参加などが始まる
M1の11月-1月頃…オファーを貰った企業との面接が始まる。研究と並行しつつオンライン面接を受ける日々。三社ほど落ちる。
M1の2月…第一志望から内定。就活終了

2 戦略と結果

戦略としては、offer boxメインで就活しました。アカリクも登録してたけど、履歴書を出力するのにしか使わなかったな。あとキミスカも登録してたけど微妙なオファーが多かった。

offer boxを使って就活した理由は、研究や授業との兼ね合いで就活に割ける時間が少なかったから。オファーボックスだと会社を探す手間が省けるし、受ける企業数が自動的に絞られる。あと、皆が知ってるような大手のオファーは少なめだから、対策に時間のかかるような難関企業をはじくこともできる。

結果的には八社受けて三社落ち。一社内定。そのほか選考辞退。第一志望から内定をもらえたのでよかったです。もし落ちてたらアカリクのエージェントを使うとか、また別の方法で企業を探していたかも。

業界としてはコンサル関係を中心に受けました。といってもオファーボックスでオファー貰ったとこしか受けてないのでそんなに有名どころは受けてない。第一志望業界をコンサルにしてたので結果的にそうなった。

ちなみに就活の軸は①研究で培ったスキルを活かせるか、②公共性の高さの二点。①については、私の専門は分析哲学なので、スキルとしては概念分析を通じて培った論理的・批判的な思考力とか、議論を通して身に着けた対話力とかが該当します。②については、どうせ働くなら誰かの役に立つお仕事がしたいということですね。

そうした軸で活動していたから、最初はなんとなくシンクタンクいいなーとか思ってました、が、諦めました。三菱総研とかはそもそも人文系あまり採らないみたいだし、もちろん人文系からシンクタンクの研究員になることもできるんだろうけど、就活にかなり力入れないといけないんじゃないかなと思う。わたしは適当にES書いてみたけど普通に書類でインターン落ちました。研究の片手間にやるような就活だと厳しいんじゃないだろうか。

3 面接攻略法

攻略法といっても、院生も基本的に学部生と同じことしか聞かれないので、その辺の話は書きません。キャリアセンターとか自己分析本とか参考にしましょう。ここでは文系院生が苦戦しがちな点に限ってお話しします

3-1 必ずと言っていいほど聞かれた質問

①「どうして学部で就職せず進学したのか」

これは十中八九聞かれる。「院進学に至った経緯を教えてください」と言われるパターンもある。圧迫されていると感じるかもしれないけど、相手は純粋に気になって聞いているだけなので、きちんと説得力をもって答えられるようにしましょう。ちなみに私は高校時代から修士課程まで進学することを決めていたので、「高校のとき倫理の授業で~という疑問を持って、大学で~について勉強し、将来は研究者になりたいと思ったいたから」みたいな感じで答えました

②「どういう研究をしているのか」

これも必ず聞かれます。まあ私の場合「学生時代がんばったこと」を「研究」にしていたから当然なんだけれど。当たり前ですが、専門用語を並べ立てても伝わらないので、中学生でもわかるようにかみ砕いて説明するようにしましょう。あとこの話になると「研究で大変だったこと」「それをどう乗り越えたのか、なぜ乗り越えられたのか」「研究のどこに面白さを感じるか」「研究を通じて(生活面で)何を学んだか」みたいに話しが展開していくことが多い。

③「どうして今の研究をしようと思ったのか」

①に関連して聞かれることが多い質問。自分が研究に興味を持ったきっかけ、大学に入ってから今の研究テーマにたどり着くまでの過程を言えるようにしておきましょう。

④「博士課程には進学しないのか」

これも割と聞かれた質問。「博士号をとっても仕事がないから」とかではなく、前向きな理由を答えましょう。

⑤「協調性はありますか?」

人文系みたいな個人ワークの多いフィールドだと適性検査で「協調性なし」と判断されることが多いからなのか、よくわからないけど、頻繁に聞かれる質問。多分「ありません」とか答えたらいけません。協調性を発揮したエピソードを添えて「それなりにある方だと思います」とか答えましょう。

3-2 文系院生にありがちな失敗

「院生にありがち」とか書いたけど、私の主観です

①面接対策をしなさすぎる

私は殆どぶっつけ本番で臨んでたのでブーメランって感じなんですが、面接にはルールがあるらしいです
たとえば、「ストーリー」が大事だということ。つまり、志望動機にしろガクチカにしろ、それを裏付けるエピソードを語れるようにしないといけないということ。たとえば就活の軸として「公共性の高さ」を挙げるなら、公共性の高さに価値を見出したエピソードを組み立てないといけません。強みとして「根性」を挙げるなら、それが何を通じて身についた力で、どこで役に立ったのかを話せないといけません。

就活ガチ勢からしたら「そんなの当たり前だろ」って感じかもしれないけど、やる気のない文系院生はこういう部分をおろそかにしがちなので、キャリアセンターの模擬面接とか滑りどめ企業とかを上手く活用して最低限は対策しましょう。私は研究室の先輩にそこそこまじめな就活をやっていた人がいたので、よくアドバイスをもらっていました。

②研究の話をアピールしすぎる

研究をしていると、どうしても「研究を通じて培ったスキル」をアピールしたくなります。実際私もそれなりに研究の話をしていたので、それ自体は悪いことではないと思います。しかし、統計やプログラミングなどのスキルと違って、人文系のスキルの保持を伝えることは難しいです。まして、「自分の強み」で問われているのはもっぱら「人間的な魅力」であって、技術的な事柄ではありません。人間、ネタは沢山ある方が魅力的に見えます。研究で身に着けたスキルをアピールするのもいいですが、「自分のウリ」はそれ以外にも用意しておきましょう。
私は自己PR欄に「研究を通じて培った哲学的思考力」というのを書いていましたが、同時に高校時代スポーツを通じて培った度胸と根性≒「突破力」というのも書いてました。そして、面接で強みを聞かれたときに答えていたのはもっぱら「突破力」の方です。もちろん、高校時代の話で終わると昔すぎるので、「こした突破力のおかげで研究で大変なことがあっても乗り越えてきました・サークル活動でも活躍できました」みたいに語りましたが。

また、もし学生時代の話で研究以外のエピソードを用意できないという場合は、「研究において自分はどういう強みを発揮したか」「研究を通じて自分は人間的にどう成長したか」といったスキル以外の視点から研究の話をできるようにしておくとよいでしょう。

まとめ

「文系大学院生は就活に不利だ」とか言われることもありますが、3-1で書いた質問をクリアできるなら、(特に修士の場合)学部生より不利になることはそんなにないと思います。院生の場合ビジネスに興味がなくてモチベが湧かないという人も多いと思いますが、やる気が無いなら無いなりに努力してみましょう。まずは何社か面接を受けてみて雰囲気を掴むことをお勧めします活動しているうちに「ここ面白そうだな」って会社が見つかるかもしれません。




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