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チャイに適した牛乳はどれなのか?牛乳の専門家と一緒に飲み比べ実験してみた

チャイはお好きか。冬になりギーが固まり始めたが、最近はまた気温が下がり、温かいものが飲みたくなったという人も多いのではないだろうか。そんなときこそチャイの出番である。

今回の記事では、吉祥寺にある武蔵野デーリークラフトミルクスタンドの木村さんをご招待し、牛乳の基礎知識をレクチャーしていただきながら、異なる牛乳を使ってチャイを作り、それぞれの特徴を洗い出した上で考察をしてみた。

チャイと言うのは単なるお茶を意味することもあるが、今回はインドを起源とするスパイスミルクティーとしてのチャイにフォーカスを当てて考えていく。

インドを旅していると1日に7回くらいはチャイを飲んだりするが、路上で飲むチャイは別に美味しいわけではなかったりする。というか作り方はその屋台のオヤジの一存で決まってしまう。茶葉が切れたら茶葉を足し、牛乳が切れたら牛乳を足す。そうやって作っているので、タイミングによっては煮詰まりすぎていたりもする。

ただ、インドで飲む牛乳は日本の牛乳と違って、なんだかおいしい。基本的に地産地消だ。近所にある小さな牧場からバケツでミルクマンと呼ばれる配達員から牛乳が日々届けられ、その牛乳を各家庭で鍋でゆっくり沸かして消毒する。そのまま飲むことはなく、基本的にチャイに入れたりホットミルクにしたりして飲む。

なにしろ家から牧場まではバイクで行けるくらいの距離で、とれたてのものだからそりゃあ鮮度には間違いがない。そういえばパンジャーブでお世話になったおじいさんのバイクの後ろに乗せてもらって牧場を見学に連れて行ってもらったのだが、水牛がほとんどだった。

今回の実験ではたくさんのチャイを飲んだので明らかにカフェインの摂りすぎ状態になっており、終わった後は精神が加速していた。



今回比べる6種の牛乳

今回比べてみる牛乳は次の6種類で、ついでにオーツミルクも比べてみた。(いま思えば豆乳の方が良かった気もする。あと濃厚系の乳飲料も。)

①あじわい牛乳 合乳超高温殺菌 
②タカナシ 低温殺菌牛乳
③ライフのノンホモ牛乳
北海道 菊池ファーム 放牧牛乳
⑤宮城 菊池牧場 放牧牛乳
⑥粉乳
⑦オーツミルク

これらを一度そのまま飲み比べたあと固定のレシピでチャイにし、再度飲み比べてみることに。5人で実験に臨み、話し合いながら実験をした。いま思えば定量化できるような何かも用意しておくべきだったかもしれない。


牛乳の基礎知識

そもそも普段飲んでいる牛乳ってなんなのだ?ということがわかっているだろうか。もちろん牛乳は牛から出た乳だ。しかし、それがそのままパックに詰められているわけではない。解説しているサイトはたくさんあるので詳細は立ち入らないが、殺菌の仕方や、ホモジナイズ処理、餌や飼育の方法次第でかなり味が変わってくる。

このあたりのことは吉祥寺の武蔵野デーリーの木村さんから教わった。少しばかり知識を共有する。

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