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#10 辛い。うまい。忘れられない。カシミールカレーという概念

毎週月曜更新、勝手にカレー哲学。
雨が降っていようが風邪を引こうがそこにカレーがあるってなんて素晴らしいことなんだろうか。感謝しかない。


先日、柏のボンベイに行ってカシミールカレーを食べた。ご存知の通りシャバシャバで黒みがかったソースにチキンとジャガイモが浮いていて、激辛というのが特徴だ。しかし辛味の中に複雑なコクや旨味があり、メニューで見かけるとついつい頼んでしまう。そして何より鮮烈な香り。口に入れると一瞬「あつ、うま」となった後に「辛ッ!」が来てブワッと汗が吹き出る。それが堪らない快感となり、びしょびしょになりながらも尾を引いてスプーンが止まらない。鮮烈なソースをぶっかけて米をかっ食らう快感は、合法ドラッグ感すらある。


今夜も柏ボンベイの支店である恵比寿の東京ボンベイでカシミールカレーを食べてみた。ここは店内わずか6席で立ち食いしかないというお店なのだが、土砂降りの中居合わせた見知らぬ男女が揃いも揃ってカシミールカレーを注文し、3人無言で横並びになって食べた。真ん中の自分は汗が止まらず内側からビショビショになった。外からも内からもビショビショになって心もカラダもすっきりである。

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こんなカレー、インド・パキスタンのカシミール地方にはない。じゃあこれって一体なんなんだろう。



デリーのWebページから紐解くカシミールカレー

自分みたいなカレー素人が書くまでもなく、デリーのWebサイトには色々書いてあったので要約してみる。


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