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2019年末インド・バングラ旅

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2019年末、インドとバングラデシュを旅しています。ほぼ日刊カレーマガジンを目指す。食べ物以外に金をかけない貧乏旅行なのでサポートも歓迎です。
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記事一覧

#43 バングラデシュ・ダッカの実家メシと、映画『タゴール・ソングス』

#43 バングラデシュ・ダッカの実家メシと、映画『タゴール・ソングス』

インド南西部の港町、マンガロールに滞在したあと、僕はすぐにバングラデシュの首都、ダッカに飛んだ。ダッカでは、東京で仲良くなったバングラデシュ人友達の実家で毎日ベンガル家庭料理を食べさせてもらい、いくつか作り方も教わった。

たった7泊8日の短い滞在だったがベンガル人の食や暮らしを体験した。その中で、ベンガルの人々の日常の中に詩と歌が根付いていること、時間の流れが日本人とは全く異なっていること、人々

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#42 日本で食べられるマンガロール料理と、それが東京で流行った理由

#42 日本で食べられるマンガロール料理と、それが東京で流行った理由

日本で食べるインド料理は、簡単に旅に出られない哀れな自分を慰めるための代償行為に過ぎないのだろうか?否、日本で食べるインド料理はかなりうまいと思う。今回は日本で食べられるマンガロール料理について。

実は簡単にトリップできるワープポイントはこの世界のあちこちに仕掛けられていて、必要なのは受け入れる覚悟だけなのかもしれない。

マンガロールの郷土料理を出すバンゲラズキッチンは2018年1月に銀座にオ

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#40 食の前での平等。Udupiのクリシュナ寺院で、千人同時多発カレーを食べてきた

#40 食の前での平等。Udupiのクリシュナ寺院で、千人同時多発カレーを食べてきた

インドの寺院では訪れる参拝客にタダで食事を振舞うという風習がある。一番有名なのは北西部アムリットサルにある黄金寺院だろうか。この寺院はシク教徒の総本山であり、貧しい人だろうと障害者だろうと、金持ちだろうとイケメンだろうと、一切を差別することなく一同が並んで飯を食う。人間は食事をしないと生きていけないという点で、誰もが平等だ。

Kolapurの後に立ち寄ったUdupiという街はクリシュナ寺院を中心

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#39 カレーを食べたかっただけなのになぜかインドの農村に拉致され、大量の女子大生の前で日本代表スピーチをした話

#39 カレーを食べたかっただけなのになぜかインドの農村に拉致され、大量の女子大生の前で日本代表スピーチをした話

インドは、時々向こうから勝手に”やってくる”時がある。

カレーが食べたかっただけなのに、気付いたらよくわからない状況に巻き込まれていた、というのはインドあるあるだ。

今回は、プネーの後にちょっとだけ立ち寄ったコラプールという街の話。

コラプールはプネーからバスで3時間ほど。文化圏的には西インドに属するのだが、東京でも西インド料理を扱うお店が増えていて個人的に注目していた。

西インドはココナ

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#38 プネーのスラム街で食べた、少女のビリヤニが忘れられない

#38 プネーのスラム街で食べた、少女のビリヤニが忘れられない

「久しぶり、ブラザー!全然変わってないじゃん」

5年ぶりに訪れたプネーは思ったよりかなり涼しく、マウンテンパーカーのジップを締め直した。3年ぶりに再会したプラカッシュは相変わらず寒さに弱く、分厚いダウンを着ていた。

「ちゃんと会えてよかったよ。とりあえず宿に行って、飯でも食いに行こうぜ」

僕らはオートリキシャに乗り込んで、これまでの空白を埋めるかのように話を始めた。

プラカッシュは

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#37 ムンバイからプネーまでたった74Rs。4時間のインド列車で起きたこと

#37 ムンバイからプネーまでたった74Rs。4時間のインド列車で起きたこと

東京メトロ東西線を超える混雑度の車内に、ヒジュラ(女装をした元男性?トランスジェンダーの人々)が乗り込んできた。

「彼女」は「ラ!ラ!ラ!」などといいながら僕のカラダを弄ってきて、手を差し出して堂々と喜捨を要求する。

10Rsを渡すと「チャイニーズ!!モモ!」などと言いながら手を叩いてお祈りを捧げてくれる。全くなんのご利益も感じねえ〜。

車内の人々は絡まれても別に嫌な顔もせず、ニヤニヤし

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#36 ムンバイのカルナータカミールス店で、チャパティ製造マシーンを見た

#36 ムンバイのカルナータカミールス店で、チャパティ製造マシーンを見た

僕は、旅をしているからって何か特別なことをしたりしない。

旅先で新しいこと、面白そうなことがあったら積極的に首を突っ込むが、全然観光しない。食べものに関連のある土地の歴史は結構調べる。

旅と日常は陸続きであってほしいし、仕事も生活も旅に内包されたものであってほしい。ここぞとばかりに焦ったり急いだりするのも好きじゃない。普段サッカー観戦しないからW杯だからって急に見始めたりしない。

無意味な世

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#35 朝から晩まで、ムンバイでマハラシュトラ郷土料理を食べ尽くす

#35 朝から晩まで、ムンバイでマハラシュトラ郷土料理を食べ尽くす

「若い女性のくるぶしが見えたらそれはエロいのだ」という価値観の人も多いというインドだが、ムンバイにはスカートを履いた女性もちらほらいる。えっそれって、どエロいじゃん。

デリーと比べてムンバイは、歴史的な背景もあってか、かなり西洋的・先進的な雰囲気がある。

リキシャやタクシーは何も言わなくてもメーターを使ってくれるし、身の危険を感じるようなこともない。フォートエリアは小綺麗で日本橋のような

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#34 タイのムスリム料理店の謎カラーヒー

#34 タイのムスリム料理店の謎カラーヒー

一人旅は暇だ。でも暇だと思えることはいいことだ。ここのところ日本では常に時間に追われて、睡眠時間もろくに取れていなかった気がする。金で買い取ったつかの間の休息だが、暇なのでほぼ毎日1000文字を目安にnote更新します。

帰省のノリで、ここのところ年末はインド周辺に飯を食いに行くことが多い。今回、かなり安いLCCを使ったので変な時間に出発してトランジットでめちゃくちゃ待たされた。東京からムンバイ

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