見出し画像

「海洋帝国興隆史 ヨーロッパ・海・近代世界システム」を読んで。

641回目です。φです。

今日は読書に費やしました。読み終わりたかった本を無事に読み終えて、これで明日からテスト前の追い込みに集中できそう(笑)

まだ読みたい本はあるけれど、テスト後に楽しもう。今日読んだ本はこちら~。「海洋帝国興隆史 ヨーロッパ・海・近代世界システム」。

ちょっとしたことがきっかけで、ポルトガルに興味を持っています。この国、そしてオランダ、初めて日本に来たヨーロッパの国というわりには馴染みがなくて影が薄い印象があります。私の思い込みでしょうか。

大黒屋光太夫もロシアとの距離を近づけてくれたように思えますが、なんというかロシアも馴染みがあまりない国…かな。よろしくないニュースではお馴染みかもしれませんが(笑)

そういえばこのオランダもポルトガルも海で発展した国だなぁ、ちょっと調べたい。そう思いまして、読みました!今まで私が手を出したことがなかったジャンル!

歴史とは面白い。そう思いました。この本では海に着目して、海の貿易で何が起こったか、なぜ陸路での貿易ではなく危険な海を選んだか。そういったことが書かれています。それを知ると、歴史の点と点がつながっていく。「だからか!」となるんですよね、面白い。

私は世界史に関するものを知っていくたびに、気になることがありました。急に世界に躍り出たような国々は、すぐに衰えてしまうものなのか。表舞台からいなくなったとき、どうしていたんだろう?とか。

ヨーロッパの国々では長いヨーロッパ間での戦争のあと、国力を回復させるために表立った動きがなかったりはする。けれど、その国に着目すると勢いよく動いている。皮肉なことに、戦争の後に新しいものが生まれる。破壊と誕生って紙一重だなぁと思います。

その「どうしていたの?」と思うことが多いのがポルトガル。わざわざ日本にまで来たの、わぁすごーい、な国なのに、なんか影が薄い。二つ名では「ヨーロッパ最後の田舎」らしいし。良い意味も含まれているのだろうけれども。

そんなポルトガルを中心に、新しい一面での歴史を学ぶことができました。面白い本です。おすすめ!

ポルトガルは国家として海洋国家になろうとしたわけではない。個々人の商人たちが世界に船で旅立っていった。だからこそオランダのようにはならなかったし、イギリスのようにもならなかった。個人で動いていたからだ。

そうとは全く知らなかった私は、歴史を動かした事態=国家が絡む、と思っていて、ポルトガルもそうだと思っていました。戦争か飢饉か、それとと政治体制が変わった、革命があった、そんな”何か”があって、歴史から姿が見えなくなったのかなぁと。

ポルトガルが行わなかったことを国有化して、世界中のシステムを変えたのはイギリス。そしてこの二つの国は今でも続く「英葡永久同盟」。

こんな同盟はあるのですが、ポルトガルの貿易がうまくいかなくなったのにはイギリスが絡んでいるらしく、なんとも面白いものです。色々あるのでしょう…これを調べることが、私の次の目標です!目標ばっかり!楽しい!

歴史は学べば学ぶほど、分からないことが増えて、面白いと思うことも増えていく。人生をかけても一つの国の歴史を完全にさかのぼることは難しい。永遠に学べるテーマなのでしょうね(笑)

さてさて、文中でちょっと不謹慎にも私が笑ってしまったのが、イギリスについて。

181ページ第五章「世界の一体化とイギリス」に書かれてありまして…

イギリスほど、いわば『むき出しの暴力』で支配地域を拡大し、その地の政治構造を変えた国は、おそらく歴史上皆無であろう。

確かに!と思ってしまいます。私自身イギリスの歴史はとんでもない方面で好きです。色々ぶっ飛んでいるけれど、それであの国は歴史を刻んでいると思うと、なんとも世界は面白いものです。歴史を学べば学ぶほど嫌いになってしまう国、と誰かから聞いたことがあります。あくまで個人の意見ですが。

紳士の国、は最大の皮肉だと私は思っています。多分イングランドのことだろうけれども。イギリス、と一言でまとめても、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランド、と個性がありますし、歩んだ歴史も異なってきます。これはぜひぜひ知っていただきたいものです。特にウェールズ!(笑)

本の内容は少々細かくて、学術的なものになっていますが、それでも海に着目した歴史を学ぶのには最適な本だと思います。ヨーロッパが海を渡り、自国以外の領土を求めた理由も書かれてあって、見方が変わりました。劣等感、とは私が今まで思ったことがなかった考えです。この本のおかげ。

海のロマンを感じつつ、歴史を学びつつ…素晴らしい本でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?