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よく分からないから、分かる人に乗り移ってみたい

りあです。「人の味覚を借りてみたい」と思ったことってありませんか。私はしょっちゅうあります。というか、人の体を借りてみたい。乗り移ってみたい、と表現すると分かりやすいでしょうか(笑)

私は辛いものや、苦いものがいまいち分かっていないらしい。それらは痛覚に通ずるからだとか、そういった理由を説明されています。

まぁ確かに。分かっているかと聞かれたら、分かっていないと答えるのが合っているのかもしれない。

小さい頃から、激辛党でした。小学生の低学年くらいから、大人が食べるような辛口カレーを食べていたり。キムチを食べていたり。福岡が誇る調味料(?):柚子胡椒をものすごい量汁物に入れたり。

くちびるが腫れるな~なんでだろう、と食後に思っていたりしました。私の脳よりも、体の方が多分賢い。多分というか、絶対(笑)

苦味もよく分かっていないらしく。2歳か3歳の頃からコーヒーは飲んでました。飲んでいいのか微妙な歳ですが、まぁ当時の私がいたのはアメリカなので(笑)

コーヒーは甘いのに、どうして砂糖を入れるのだろう。そんなことも思っていました。イタリア人と「エスプレッソはそのまま飲みたい」「エスプレッソをそのまま飲むとか邪道だしおいしくない砂糖3袋は入れて」「え~」みたいな会話をして、エスプレッソ(またはコーヒー)=苦い、ということを私は知りました。

にがい。えぐい。そこら辺が、私はさっぱり分からない。お抹茶体験をしたとき、私は「いっぱい入れたら多分おいしい!」と信じて抹茶をできる限り詰め込んだけれど、一口飲んでもらったらほぼ噴き出された。相当不味かったそうです。私はおいしいと思ったのだけれども。

私はコーヒーが好きで、コーヒー検定3級を持っていたりします。意外でしょ。セミナーを受けたらもらえるんですよ。

セミナー中にコーヒーを飲み比べるシーンがありまして。「これが酸味のある味です」なコーヒーを飲むと、確かになんとなーく酸味っぽいような。酸味っぽいというよりも、「なんか嫌」という感想。すみませんね、酸味のあるコーヒー派の方々。私は苦手なようです。

「コクと苦味が特徴的なコーヒーです」というコーヒーを飲むと、「わぁ甘い…?」。なんというか、なんともいえないんですよ。コーヒーだなぁって感じで。なんてお粗末な感想でしょう。

そんなこんなで、味覚判定が超雑な私は、しょっちゅう人間が消費して良い量を超えているようで。胃を荒らします。コーヒーだって水のように消費してしまうし、刺激物だって気にせず食べてしまう。

「食べものでも自爆するのはだめかも!」とようやく私は理解して、マイルドな味一択で生きています。マイルドというか、素材の味+オリーブオイル、みたいな。使う調味料は味噌と塩こうじとオリーブオイルだけ。あとブラックペッパーとか、バジルとか、そういったスパイスを少し。

味覚が繊細な人といると、「どこからそんな表現が?!」とか、「多分舌が3枚くらい奥にあるんでしょう」とか。そんなことを思ってしまう。コーヒーの「明るい味」という表現とか。緑茶の「華やかな味」とか。春の料理にありがちな「ほろ苦さ」とか。ほろって何。ほろ+苦いでどうなるの。

どこをどう感じたら、そう感じられるのか。そう言語化できるのか。何を比較して、何を思い描いて、そう表現するのか。私にはさっぱり分かりません。

私は行きつけのコーヒー専門店があります。いろんなコーヒーを、いろんな言葉で表現している。「フローラルな」とかはもちろん、「冬の朝をイメージできるような」とか書いています。説明に。

聞いてみたことがある。「その味はどうやって知覚するんですか?」とか。「どう飲んだら、その味が感じられるんですか?」とか。

オーナーさんは困った顔して笑う。オーナーさんのお店のように、そういった表現をしているお店の人に同じような質問をするけれど、「難しい質問ですね」とか「感覚的なので」とか言われる。感覚でその味が理解できるって、なんてすごい脳と舌と、神経を持っているのだろう。

そんな表現をできる人たちに、私は乗り移ってみたいなぁって思います。一度乗り移ったら、私の体に戻ったときも感じられるのだろうか。すっかり忘れてしまうのだろうか。

なかなか難しいものですね。教えてもらっても、多分私は「どういうこと?」という疑問を抱き続けるでしょうし。教えてくれる側も「どうして分からないんだろう?」と不思議だろうし。いやはや、人間とは面白い生ものですよ。

なんというか、「誰かに乗り移りたい」という史上最高によく分からない欲望を書くだけのnoteになりましたね今回(笑)

Have a inscrutable and funny day.

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