みらい奥様ストーリー【5】
予約日当日。
俺はムラムラした気持ちを抱きながら、指定されたラブホテルの前に立っていた。
妻には「仕事が遅くなる」と嘘をついてきた。
大きなプロジェクトがあると数日前から仕込んでいるから嘘だと見抜くのは容易ではないだろう。
「はじめまして! みらいです!!」
少しして、みらいがやってきた。
みらいはテレビドラマの主役級の女優みたいな綺麗な顔立ちをした女の子だった。
白いブラウスに桃色のフレアスカート、蝶をイメージしたような赤いヒールを履いていて清楚な服装である。
「ど、どうも」
「えっと……、洋平さんですよね」
「あ、はい。洋平です」
「なんて呼んだらいいですか? それと話し方はどうします」
初めて会うなり、俺に合わせようとしてくれている。
みらいの気遣いに目を潤ませながらも、俺は彼女の質問に答えた。
「『ようちゃん』って呼んで欲しいな。それと普通に話してほしい」
「わかりました!」
要望を聞くと、みらいはぱあっとした笑顔を俺に見せる。
「ようちゃん! 今日、いっぱい気持ちよくさせてあげる」
みらいは小声でそういうと、俺の腕を引き、ラブホテルの中で導いた。
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