クレームの際にペットの事を「欠陥品」というお客様→ご自身が一番「モノ扱い」してることに気付いていないNo.14
ペットショップでは、様々なペットを取り扱い、家族を見つける事を仕事としています。一番分かりやすいのがワンちゃん、ネコちゃんです。
私の勤めていたペットショップでは、ありがたいことに毎月20~30組ほどの方がペットをご家族に迎え入れて頂ける環境でした。
何度もお伝えしていることですが、
世間からの風当たりが非常に強い業界です。
ですが実際現場にいるとそうでもなく、自分の家族になる子を真剣に探して、スタッフと相談し、金額、自宅の環境を考えて家族を決める。
・この子に出会えて本当に良かった
・○○さんに背中を押してもらえてよかった
・ずっと欲しくて迷ったけど、ここで決めれて良かった
ありがとうという感謝の言葉を多く頂けました。
しかしペット取り扱っている以上良い事ばかりでは、ありません。
普段お世話をする中で、お店の子が死にかけたり、ブリーダーさんから連れて来た子が生まれつき病気を抱えている子であったり、一度お客様の所へ行った子が帰ってきたり。色々な事が日々起こります。
ご家族に迎え入れてから生まれつきの病気が見つかる
以前ブログでお話した回虫【寄生虫】のような物であれば、獣医さんに行って投薬治療で治すことができます。
生まれつきの病気いわゆる先天性障害や疾患が見つかった時は、どうする事もできません。症状によっては、治療で症状を抑えることもできますが大半の場合、病気と上手く付き合いながら一緒に暮らしていく選択を取ることしかできません。
これは事前に見つけることが非常に難しいです。
明らかに初期症状が出ていたり、事前に獣医さんによる厳密な検査を行えばある程度は確認する事ができます。
ただしこれをするとどうなるか。
表現が適切では無いかもしれませんが、全ての考えうる検査を行うとペットショップで販売される子達の金額は平均で50万円以上、下手をすると100万円以上になる可能性もあります。
ただし全ての検査をしたからと言って、絶対はありません。
成長する過程で発症する後天的な物もあります。
これを踏まえたうえで考えるとあまり現実的ではありません。
もし仮にこれをするとどうなるでしょうか?
ペットを迎えることができる方は、ごく一部の方。
これを金銭関係なく、譲渡やボランティアだけで行うことは可能でしょうか?ボランティアでやられている方にもそれぞれの生活があります。良い言葉を並べても現実は厳しいです。
ペットと関わる仕事をする方は、現実的に可能な限りの事を行い家族に迎えて頂くように努めています。
先天性疾患が見つかり、ショップに怒鳴り込むお客様
お気持ちは痛い程、分かります。すごく悩んで、大金を払い、迎えた子が病気を持っていた。怒鳴り込むのは、当然だと思います。
ショップに非がある部分は、できうる限り対応させて頂いておりました。
このようなクレームが起こった時に多くのお客様の言葉から出る言葉が
「言い方は、悪いけど欠陥品を売りたって事だよね?」
どんな言葉でもしっかりと受け止めて最善を尽くしますが、この言葉だけはどうしても納得ができない言葉でした。今の時代は、ペット=家族
たとえ病気が出たとしてもその言葉を発した時点でモノ扱いしています。
怒りというよりも悲しくなります。
迎え入れる当初は、あんなにも幸せそうに大事にするという言葉かけていた方からこのような言葉が出ると何も言えません。
ペットたちの時間軸は、人とは違います。1年で人で言うと20歳。
人で換算しても20歳までに「ケガ、病気」をしない人はいますか?
もし仮に先天性疾患がでたら病院などに怒鳴り込みに行きますか?
生んでくれた母に「欠陥品を…」と言えますか?
キレイな言葉で言うと、運命だと納得しませんか?
ペットショップはそこにお金が発生するので、怒りの矛先になるのは、重々承知しています。どれだけでもぶつけてください。
できる事は精一杯考えます。
しかし縁あって迎え入れた家族にどんな事があっても「欠陥品」とだけは、言わないで欲しいです。
クレームの際にペットの事を「欠陥品」というお客様→ご自身が一番「モノ扱い」してることに気付いていない。
冒頭にもお伝えした通り、私のお店では、月に20~30組のお客様が「ワンちゃん」「ネコちゃん」を迎えてくれていました。全国のペットショップで大なり小なりありますが、私が知る限りで300店舗以上あります。
考えると月に1万以上の家族が決まっていることになります。
悪質なショップやブリーダーも現実に存在します。正しい知識を持って取り組んでいない方もいるので、病気や疾患のリスクを持った子に出会うリスクも高まります。
少なくても私が勤めていた所では、全てではありませんが検査をし、信頼のあるブリーダーさんから迎え入れるようにしておりました。
どんな形であれ、自分自身で「悩んで」「相談して」「決断して」
生き物を飼うという、様々なリスクを覚悟を持って迎え入れた家族に
「欠陥品」という言葉だけでは、かけないでください。
その子自身は、縁あってご家族と出逢えた子です。
すごく悪い言い方をするともっと早く分かっていたら、
家族に迎え入れられる幸せを知らないまま、一生を終えることもあります。
その運命を少しでも変えることのできる出逢いだったと考えてみませんか?
一般的な子と比べると限られた時間かもしれません。
だからこそ精一杯の愛情を注いでください。
貴方の目の前の家族に精一杯の愛情と言葉をかけて
あげれていますか?
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