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あまのじゃく、村上春樹さんのエッセイを読む。|村上春樹『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』

最近、村上春樹さんのエッセイを読んでいます。

図書館で借りた、こちらの本。

私は、小学生の頃からずっと本を読むのは好きではありませんでした。

中学時代の「朝の読書の時間」は、なんと3年間ずっと同じ本を読んでいたんです。適当にぱらっと開いたページから時間になるまでぼんやりと読み進めていました。

読書が好きになったのは大学受験がきっかけでした。そのころも自発的に読書をしていたわけではありません。きっかけはなんとセンター試験の国語

試験問題で出題される小説って、意外と面白いものがあるんですよね。しかも試験で出題されるのは小説の一部なので、前後が気になって仕方がない。

そんなわけで、勉強する中で「あ〜、なんか本読みたいかも。」みたいな気持ちになって、晴れて大学受験が終わってから、大学時代には少しずつ本を読み始めた。そういう次第でした。

だけど根っこの部分は無頓着なので、自分が好きな本をゆっくり読みたいんです。本屋さんの入り口にドーンと積み上げられているような、「誰でも知ってるあの本」とか、「映画になったその本」なんかはあんまり興味を惹かれなくて。要するにあまのじゃくなんですよね。

前置きが長くなりましたが、もちろん「村上春樹」さんの名前は、学生時代に読書に興味がなかった私でも聞いたことがあります。ノルウェイの森とか、1Q84の人だよね、ということまでわかる。

私の中のあまのじゃくが「まあみんな読んでるってことは別に読んで確かめなくても『面白い本』なんだよ。きっと。」と囁いてきます。そういうわけで、村上春樹さんの本はスルーしてきました。

(そういえばこの記事で、原田マハさんの本を読んだのは初めだったと書いていますが、上記と同じ理由です。天邪鬼に囁かれました。)

そんな私がどうして村上春樹さんのエッセイを読もうと思ったのかというと、オリラジの中田敦彦さんの影響です。Youtubeで、村上春樹さんのエッセイを読むのが好きだという話をしていて、「村上春樹さんってエッセイも書いているんだ」と思ったのがきっかけでした。

休職することが決まって、時間もあるので読書をしようかと思った時、ふとそのことを思い出したんです。今は適応障害の症状からか少しだけ集中しにくくて、前みたいに本を読むのは少しだけむずかしい。だけど、エッセイなら少し軽い気持ちで読めるかな思って。「せっかくだからあっちゃんがお勧めしてた村上春樹さんのエッセイにしよう!」と思って、この本を選びました(他にも村上さんのエッセイはいくつかあったのですが、題名に惹かれました。な、なんだこの題名は・・・となって。)。

図書館で借りてからしばらく、この本は積読状態になっていました。なんかちょっと難しい文章が書いてあるのかな、なんて思ったりして。

だけどある日、夜中に目が覚めてから寝付けなくなってしまった時。図書館で借りた他の本は読み切ってしまっていたので、何の気なしにこの本を読んでみたんです。

そうすると、思った以上に、本当にめちゃくちゃ面白い。

村上春樹さんの小説を読んだことはないのですが、なんかこう難しい感じの言い回しなのかなというイメージがあったんです。だけど全然そんなことなくて。

まず、文章がすごく読みやすい。肩の力を入れて、「読むぞ!」って思って読まなくていいんです。すごく失礼なのは承知なんですが、「話が上手いおじさんのお喋りをへーって言いながら聞いている」、そんな感覚。

そして2つ目、上にも書いているんですが、面白いんです

この面白さにも2つあって、1つはクスッと笑える面白さ。特に、それぞれのエッセイの一番最後にある「今週の村上」のちょっとした呟き・ぼやきみたいな短文が面白いんです。「村上春樹さんもこんなこと考えているんだ(笑)」っていう発見になります。

もう一つの面白さは、村上さんの知識・経験の豊かさが垣間見えること。なんでもないような感じで書いてあるんですけど、これがまたすごく面白い。例えば、「運転初心者の時代をローマで過ごした」という内容のエッセイがあるんです。若葉マーク時代をローマで過ごした人の話なんて、人生でそうそう聞く機会がないのでめちゃくちゃ面白い。そんな感じの、「あんまりそういう体験をした人の話聞いたことないです!」っていう内容のエッセイが、なんの気になしにポイポイと出てくる。そこにも魅力を感じました。

少し話はそれますが、村上さんのエッセイを読んでいると、「私もこんな文章を書けるようになりたいなぁ」と思わずにはいられませんでした。まあこれもすごく失礼な話なんですが。

noteを始めて1ヶ月くらい経ったわけですが、どうしても私の文章は肩肘張った文になってしまうのが悩みなんです(文章も長いし。本当は短くすっきり纏めたいんだけどなぁ。この記事ももう2000字超えちゃってるよ・・・。)。

ゆるっと読めて、クスッと笑えて、「次もまた読みたいなぁ」って思ってもらえるような、そんな文章を書けるようになりたいですね。12月の目標かな。

というわけで、私の中のあまのじゃくもすっかり村上春樹さんの虜に。「エッセイ読み終わったら小説も読んでみようや!」とずいぶん乗り気になっているので、皆さんも村上春樹さんの本の中でおすすめのものがあれば教えてください。


また読んでくれたら嬉しいです🌷

はる




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