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猫ジョージ

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記事一覧

また猫を拾う

ジョージと暮らしはじめて6年程経った頃、仕事帰りにジョージと出会った辺りを自転車で通り過ぎようとした時に、子猫の叫ぶような鳴き声が聞こえた。自転車を停めて声のする方を見てみると、町工場の駐輪場の所に白い紙袋が置かれていて、その紙袋をいつもこの辺りにいる大きな黒猫さんが覗き込んでいた。近付いていくと黒猫さんは紙袋から離れて工場の裏へと走り去っていく。紙袋を覗き込むとまだ生まれて数日しか経っていないで

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ビビリ猫

ジョージくん、まだチビチビだった拾われたばかりの時に洗面所で洗われたが、ちゃんとお風呂に入れられたのは拾った翌年の夏頃だ。

時々は洗ってあげないと!と思っていたので、気候が暖かくなってから決行した。お風呂場に連れていき、まずは足元からそっとシャワーをかけてみる。慌てて逃げようとするので、片手でお腹を支えながら腰辺りにもシャワーをかける。すると!!ヘナヘナ〜と腰を抜かしてお風呂場の床に倒れ込んでし

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去勢手術

するるーんと抜けていたドアの隙間で一度つっかかるようになる頃に、発情期がやってくる。

部屋の中をアオーンアオーンと鳴きながら彷徨い歩きスプレーをした。その頃、部屋のあちこちからあの独特な匂いが漂い、当時営業職だった私のスーツからも仕事中に匂ってきた事があった程だ。このままではマズいと思っていたけれど、いざ去勢を!と思うとそれに伴うリスクばかりに気を取られなかなか踏ん切りがつかずにいたが、ケージを

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大猫

トイレットペーパー用の特大ダンボールを突破してすぐに、知人からペットケージを借りてはみたものの、ケージに閉じ込めて育てるのは無理だとすぐに悟ったので、たいして広くもないリビングはジョージの独壇場と化す。

リビングが独壇場と化してからも、しばらくは寝室には入れないようにしていた。子ども達が軽いアトピー性皮膚炎だった事もあるが、眠っている時に潰してしまうというリスクを回避するためでもあった。けれど、

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子猫の名前

小さい頃から動物が大好きで、小鳥やハムスターを飼ってきたけれど、猫や犬は両親に反対されて飼うことが出来なかった。現在母子家庭の我が家では決定権は全て私にあると言っても過言では無く、私が飼いたければ飼ってもいいのだ!

動物病院から帰る頃には私も子ども達も小さな可愛い子猫にすっかり魅了されていた。これは憧れの猫を飼う絶好のチャンス!でも子ども達に「ママが飼いたいから飼う」なんて絶対に言っちゃ駄目だ。

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動物病院

それまでハムスターや小鳥などを飼った事はあったけれど、あまり動物病院にお世話になった事は無かった。ただ高いぞ!とは思っていた。当時母子家庭だった我が家にとって、それはだいぶ痛手だ。

一緒に行った子どもたちが心配そうに覗き込む中、子猫はノミ取りのスプレーみたいなのをされて、栄養?の注射をされた。そして子猫用のミルク缶とシリンジ、もしかしたら食べられるかもとウェットの缶詰を渡された。

さて会計とな

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子猫と出会ったのは

かれこれ15年程前の確か週末、買い物に行こうと通りかかった電柱の足元に子猫が横たわっていた。

子猫を覗き込んでいた娘の同級生の男の子が「こいつさっきからここにいるんだよー」と言う。子猫は頭だけをもち上げて体を横たえたまま動かない。抜け道で車通りも多い道だから車に轢かれたのか?怪我しているのか?猫を飼った事も無いし、そのまま抱きかかえるのも怖くて、取り敢えず家に戻ってプラカゴとタオルを持ってきた。

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