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公園ボランティアの今を調べるプロジェクト。みんなの公園愛護会。

みんなの公園愛護会の見ていること

遊ぶ。のんびりする。歩く。走る。たべる。出会う。話す。歌う。奏でる。いつでも。だれでも。みんなの庭であり、みんなの縁側であり、みんなの広場。「公園」といえば思い浮かぶ景色を、みんなそれぞれ自分の中に自由にもっている。

去年の秋、私は近所の小さな公園の愛護会を友だちと一緒に始めた。その活動については、これまでも書いてきた。そしてこの夏、いろんな場所で活動している公園愛護会のような人たちを応援する団体を設立した。一般社団法人みんなの公園愛護会。ここでは、公園を愛し守る人たちをサポートするような活動をしたり、新しいチャレンジをしたりする。公園愛護会という制度にこだわっている訳ではなく、公園やパブリックスペースを良くしようと思って活動している人みんな。

市民も、行政も、いろいろな場所で活動する同じ志をもった仲間同士が、経験や知恵を出し合って、繋がっていくコミュニティのような場に育てていきたい。そして、自分も新しくやってみよう!という仲間がどんどん増えていったら最高。

「近所の公園を良くしよう」という住民が、そうじをしたり、花を植えたりといったボランティア活動は、公園愛護会や、公園アダプト制度など、市町村によっていろいろな制度がある。

地域の公園を守ってくれている人がいることは、子どもの頃からなんとなく知っていたけど、大人になって、いざ自分がやる側に回ってみると、学びが多い。そして、どこも高齢化と担い手不足が課題という言葉がセットでくっついてくる。

地域の公園が安全な場所であれば、親は安心して送り出せる。私のような、小さな子どもを持つシングルマザーはなおさらで、温かく子どもを見てくれる大人の目が多ければ多いほど、安心は増える。私も、知ってる子どもの顔が多ければ成長を喜ぶ楽しみが増えるし、世代の違う知り合いが地域に増えることはうれしい。そして、地域に安全で安心できる温かい場所がひとつでも増えたら、心強い。

やってみると面白いけど、課題が多いことも、なるほど確かに見えてくる。たとえば、効果的な草取りの方法や頻度、便利な道具についてもっと知りたい。虫について、花について。道具の手入れについて。たとえば、公園の木にみんなで樹名板をつけたくて、それをDIYするところからイベントとしてやりたい。イベントをするときの手続きやいろんなヒントも知れたらうれしい。面白い活動をしている人のことを知りたいし、他の愛護会の人たちがどんな風に活動していて、どんな工夫をしていて、どんなことを考えているのか知りたい。教えてもらいたいことも多いし、もしかして役に立てることがあるかもしれない。連携したら面白い遊びが生まれていくかもしれない。活動上でのご近所さんのことを、もっと知りたいし、繋がりたい。

60年前にできた公園愛護会制度。たくさんの都市に広がり、続いてきたことが何より素晴らしい。これまでのやり方は、それはそれで良かった。でも未来は、人口減少と高齢化とテクノロジーの発展と、いろいろなものが急速に進み続けるこれからは、どうなるのか?行政単位を超えて、年齢や立場を超えて、住民でも役所でもない私たちが、できることがあるのではないかと信じている。

はじめに、実際どうなの?を確かめてみよう

まずは、公園愛護会など市民の公園ボランティアの現状について実態調査をすることから始めていくことにした。どんな制度、どんなサポートで、どのくらいの公園で、どのくらいの人たちが活動しているのか。

国交省に聞いても、そういうデータはないよということで、自分たちで調べてみることにした。さすがに全国一気に調べるには、ものすごいことになりそうなので、(気候も違うし雪国だと公園の利用から何からいろんな前提が違いそうだし!)エリアに特化して調べてみることにした。ターゲットは、ダーツを投げずに決定、神奈川県。

神奈川県内の33の市町村に向けて、制度の有無やサポート内容、課題や注力していることなどを聞くアンケートをしよう。そして、実際に愛護会をやってる人たちにも、やりがいや困りごとなどリアルな声を聞いてみよう。そしてきちんとしたデータがある、ちょっと面白い読みものにしちゃおう!ということに。それが、みんなの公園愛護会の最初のプロジェクト。

ヒアリングの旅

アンケートの設計をしながら、リアルにも話を聞いて温度感を確認。いくつかの自治体に出向いて、公園愛護会の現状について話を聞きにいった。ご協力いただいた皆さん、ありがとうございました!

公園愛護会発祥と謳う横浜市は、さすがの規模と充実度。住民の関心度も高いそうで、熱心だからこその課題感。川崎市では、公園愛護会に加えて、より密接な関わりをもつ「管理運営協議会」という制度があるそうで、愛護会からのグレードアップを推奨しているそう。そのほか神奈川県内3つ目の政令市である相模原市では、報奨金で運用するアダプト制度を採用している。

公園アプリのパークフルとの連携もしている藤沢市では、昭和58年から公園愛護会の制度をやっているんですよという話を聞いたかと思えば、寒川町ではちょうど今年の春から公園愛護会制度がスタートしたというホットな感じで興味津々。年2回花の苗がもらえるという大和市のほか、厚木市でも花の活動に特化したボランティア制度があるという話を聞いた。改めて、花はいい。楽しみになるし、やりがいになるし、見ているだけでもいい気持ち。

平塚市では、公園愛護会の人たちと市の職員で、毎年バスを3台くらい貸し切って大きな公園の視察研修をやっていて盛り上がっているというユニークな取り組みを教えてもらったりして(今年は残念ながら中止のようです)、話を聞けば聞くほど、多種多様だな〜ということがわかった。そして同時に、話を聞けば聞くほど、活動してる人の多さと裾野の広さを実感。

課題はやはり、ほぼ共通して高齢化と担い手不足。そして紙でのコミュニケーションによる事務作業と、データ化されていかないアナログ情報。高齢化って10年も20年も前から言われているけど、実際何歳くらいの人がやっていて、あと何年くらいやれると思ってるんだろう?たしかに愛護会の集まりは、ジャンパーを着たおじさんで埋め尽くされていたけど。実際どうなのだろう?このあたりも、愛護会アンケートで調べていく。

ということで、ちょうど今自治体アンケートをやっているところで、愛護会アンケートをつくっている、まさに途中経過。愛護会アンケートは基本郵便で送ることになりそうで、これが何通出して、何通返ってくるのか?WEBフォームとか作ったら使ってくれるかな?そして、どんな読みものになっていくのか?さてさて、この先どうなるのか?一緒に育ててもらえたらうれしいです。


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