一緒にいると顔が似てくる理由〜人の心はどう進化したのかを読んで
私と娘は、とても顔が似ている。
保育園に娘を迎えにいくと、娘の友達が私の顔を見て、すぐに娘のママだってわかって呼びにいったり、息子と娘と私が並んでいると、「よく似てる」と色々な人に言われた。
親子だから似ていて当たり前と言われると、そうでもないと思う。
うちの息子と娘は、旦那にほとんど似ていない。
そのせいで、元旦那から息子が生まれた時
「本当に僕の子?」と、疑いをかけられたくらいだ。
でも、この似ているという現象は、夫婦でもよく見かける現象だ。
『同じ窯の飯を食べている夫婦は長年連れそうと似てくる』と言われているが、遺伝子を同じにしていなくても、一緒にいるだけで似るってどういうこと?
本日は『ヒトの心はどう進化したのか〜鈴木光太郎著』より、なぜ人の顔は、一緒にいると似てくるのかを解説していきたいと思います。
赤ちゃんは人の表情を真似る『新生児模範』
人は、親の遺伝子を、約70%受け継いで形成されていると言われています。
新生児の時は、まだ、体が自由に動かせないほど、脳が未発達なので、脳が体を動かす司令塔としての訓練時期です。
実は、この新生児の時から、人は人の表情を見て、感情を読み取るという能力を持っており、無意識に「人の表情を真似る」ことを練習すると言われているのです。
これが「新生児模範」と呼ばれる現象です。
新生児でも、2ヶ月くらいから人の表情を真似ると言われており、母親が笑顔で語りかけると、ニコッと笑う、口を尖らせると、それを真似たような表情をする。
この現象は、言わば反射のようなもので、ここで重要なのが、この自動的な反応メカニズムが、新生児に備わっているということなのです。
この反射メカニズムは、なぜ、人に備わっているのか。
実は、これが、「人は他人を写す鏡である」ということわざを示す、人類ならではの脳の進化だったのです。
人とチンパンジーの違い
チンパンジーと98.77%同じ遺伝情報を持つ、私たちホモ・サピエンスは、チンパンジーとは違う脳の持ち主であるが所以をあらゆる研究によって、導いている。
チンパンジーよりも新生児の時から3倍の大きさの脳で生まれてくる私たちに備わっている反射メカニズムの「模範するという能力」
実は、この能力は、人が人の感情を読むという部分と関連があるのです。
私たちは、チンパンジーと違って、「人の心を読む」生き物だ。
例えば、目の動きに注目すると、人間ほど、目が忙しなく動く生物はいないと言われている。
他の動物は、自分に目が向けられているかで、相手が自分を威嚇しているかどうかを判断するのに対して、
「目は口ほどに物を言う」と言うことわざがあるように、人は目の動きによって、相手がどんな気持ちなのかを読むと言われているのです。
人類は、目だけではなく、眉の動き、眉間の皺、口元の緩み、頬の強張り、鼻腔の膨らみ、顔色の変化など、あらゆる表情を読み取って
相手の心がどんな状態なのか、
喜び、笑い、悲しみ、怒り、恐怖などの感情を表す表情を読み取って、高度なコミュニケーションをしているのです。
その練習として、脳の反射メカニズムに「新生児模範」が存在します。
この新生児模範は「情動の共鳴現象」とも言われ、赤ちゃんは、親に自分の情動を「鏡映化(mirroring)」し、自分の情動を再体験します。
この「鏡映反応」は、自分の行動と似ているけれど、同じではなくわずかに違うので、「自他の区別を明確化していくため」に必要です。
人は、親を通して「自他の区別」と「相手に自分と異なる心があること」を知り、意識が完全に芽生えるまでの期間に、
親の影響を9割受けて、『個性』を作り上げていくのです。
人が、社会的な生き物であると言われる所以は、人の表情を真似て、自分の顔を形成していくからであり、
親子が似ているのは、新生児の時から、育ててくれる母親の表情を真似て、表情を作り、それが顔の形となって、現れているからなのです。
人の性格は顔に出る
心理学の世界では、個人を特徴づけている持続的で一貫した行動パターンを、性格(=パーソナリティ)と呼んでいます。
ドイツの医学者であり精神科医であるエルンスト・クレッチュマーは、人は、心=『気質』、体=『体質』を持って生まれてくると提唱しています。
この気質は、脳の9割を占める潜在意識と呼ばれる無意識領域のことを指し、この気質によって、体型を作っていると提唱しているのです。
『天才の心理学〜Eクレッチュマー著』で、人格の刻印をテーマに著したクレッチュマーは、
身体や顔の形は、精神的特質の『生き生きとした刻印』である
と記している。
6年前、初めにアロマ心理学を作って、診断する中で、同じパーソナル精油の人は、親子でもないのに似ていることに気がつき、
そこから、アロマ心理学は、人の外見的特徴と、話す内容で、どのパーソナルか見極めることができる心理学へと進化していきました。
パーソナルが同じ、もしくはセンターとなる型(アロマ心理学4タイプ)が同じだと、似たような顔つきになる。
それは、親の遺伝子情報だけではなく、赤ちゃんの時から、両親、どちらかの親の表情を真似て、顔をつくっていき
片親の表情を7割受け継いで、顔を作っていくからなのです。
その表情をすることを司令するのは未発達の脳であるため、親の表情から、相手の心の心情を読み取り、
拒絶されないように、見捨てられないように、自分が親にとって必要な子であると示すように、脳が表情を作る司令を行いながら、親を見て、思考の癖を形成していく。
だから、私たちの心(思考の癖)と体は、繋がっており、心が体を形成していくから、
同じパーソナル精油の人は、思考の癖が似ていることによって、親子じゃないのに外見が似ているのだと言うことが分かったのです。
人類は社会的な生き物
私たちは、本能の一部を手放し、単体として生きる道を捨て、集団で生き残る道を選んだホモ・サピエンス(賢いヒト)です。
本能の一部を手放した際、人は生物として生存するための機能の一部を失った。
それを補うために、心を形成し、集団の中で生きるために、相手の心情を読み取る能力を身につけ、社会の一部として、どんなことができるのか、
偏った思考の癖から、『個性』を作り、社会的集団生活の中で、自分を社会の一員として生かし、生きてきたのです。
現代は、誰とも会わず、1人で引きこもって生きることも選べる環境です。
狩猟採取民社会では、集団の中での役立たずは『死』を意味し、足手まといな人たちは殺され、社会的集団の機能に関わる優秀な人だけを残し、私たちは、ホモ・サピエンス繁栄の歴史を作ってきた。
「社会は生きている」
単体としての完璧さを手放し、得意なことを社会に役立てるために、私たちは存在する、社会のために生きている生物・・・。
それがホモ・サピエンス。
あなたの外見に刻まれた人格の刻印は、この社会全体の意識レベルに貢献するために作られたもの。
だからこそ、人と比べ、人より自分が劣っているなんて、絶対に思わないで。
あなたがいることで、そのコミュニティーの機能が円滑になり、エネルギーが循環する。
そんな場所が必ずある。
自分の個性を認め、自分を好きになることで、あなたの才能は開花しますよ。
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