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ねこさん・わんちゃんのアレルギー その1 アレルギーとは?


はじめに

すでに各地で花粉が飛び始めています。
みなさんの中には、花粉症の症状に悩んでいる人も多いのでもないのでしょうか。

ご存知のように、花粉症はアレルギーのひとつです。

そして、ヒトとは違う症状がでることがありますが、ねこさん・わんちゃんも花粉症を発症することがあります(それほど多いわけではありません)。

ところでアレルギーとはどんなものなのでしょうか?

アレルギーをちゃんと理解すると、正しくアレルギー対策をすることができます。

そこで、今回の記事では、まず「アレルギーとはどんなものなのか」について大雑把に解説します。

※ 過去の記事一覧もご覧ください


◾️アレルギーとは

アレルギーとは「特定の物質や成分に対して過剰な免疫反応がおこること」です。
過敏症かびんしょう」とも呼ばれます。

※ 正確に言うと「過敏症のなかで免疫が関与するものがアレルギー」です。

そうは言っても、もちろん免疫反応は、体を守るために必要な仕組みですよね。
では、体を守るはずの免疫反応が、どうしてアレルギーを引き起こすのでしょうか?


まず、免疫反応をものすごくシンプルに説明すると、「体の中に侵入した敵をやっつける」ための反応です。

ただ、「体の中に侵入してくる敵」には、とんでもなく多くの種類があります。
そのため、どんな敵でも効率よくやっつけることができるように、免疫反応は多くの複雑な仕組みによって調整されています。

その免疫反応を調整する仕組みのひとつを、シンプルに説明しますね。

免疫反応は大きく2種類に分けることができます。

(1)弱い免疫反応 = 敵をやっつける力が弱く、穏やかな免疫反応
(2)強い免疫反応 = 敵をやっつける力が強く、激しい免疫反応

の2種類です。

弱い免疫反応と強い免疫反応のイメージ


通常は、危険性があまり高くない敵に対しては(1)の弱い免疫反応が起こり、危険性が高い敵に対しては(2)の強い免疫反応が起こります。

ところが、本来(1)の免疫反応が起こるべき場面で、(2)の反応が起こってしまうとアレルギーが起こります。

危険性があまり高くない敵に対して過剰な激しい反応が起こるので、アレルギーは「過敏症」といわれるわけです。


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