ねこさん・わんちゃんのアレルギー その2 免疫の基本的なお話
はじめに
ケガをしたときに傷口からばい菌が入ると膿んでしまうことがあります。
また、はしか(麻疹)に一度かかると、次からは、はしかにかかりにくくなります。
これらはいずれも免疫の働きによるものです。
ところが、はしかに一度かかると、次からは、はしかにかかりにくくなりますが、ケガをして膿んでしまったとしても、次にケガをしたときに膿みにくくなるなんてことはありません。
はしかの場合とケガの場合では何かが違うのでしょうか?
◾️2つの免疫
免疫反応には大きく分けて、次の2種類があります。
自然免疫
獲得免疫
傷口からバイ菌が入ってしまったときに膿むのは、おもに自然免疫の働きによるものです。一方、はしかに一度かかると次からかかりにくくなるのは、獲得免疫の働きによるものです。
それぞれの名前からイメージされるとおり、自然免疫は生まれながらに備わっている免疫反応で、獲得免疫は生まれた後に敵と戦うことで本領を発揮する免疫反応と言うことができます。
前回の記事でお話した、ウルトラマンと地球防衛隊の例え話で言うと、地球防衛隊にあたるのが自然免疫で、ウルトラマンにあたるのが獲得免疫です。
どちらの免疫反応でも炎症反応が起こるのですが、獲得免疫が働いたときのほうが、より激しい炎症反応が起こります。
みなさんが、ねこさん・わんちゃんの正しいアレルギー対策ができるように、今回は免疫の基本的なお話をします。
※アレルギーの基本的なお話は前回の記事で解説しています。
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