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筋肉の指揮官<神経系>について!


1,筋の興奮

一本の運動神経が支配する筋線維は活動電位が発生すると同時に興奮する。その運動神経が支配する筋線維の数は筋によって違いがあり、繊細な動きが必要な筋は一本の運動神経に一本の筋線維のみだったりして少ない。だが繊細な動きを必要としない筋は、数百本の筋線維が支配されている。


アセチルコリン:筋鞘を興奮させる神経伝達物質。
運動神経からの活動電位は直接筋線維を興奮させるわけではなく、アセチルコリンが神経筋接合部に放出されることで、筋鞘に活動電位を伝達できる。その時は十分なアセチルコリンの量が必要である。
全か無の法則:活動電位から起こる筋線維の収縮は、一部だけで起きることや、活動電位の強弱に収縮の強弱が左右されることはなく、収縮が起こるか起こらないかしかない。


単収縮:活動電位による短時間の収縮のこと。
単収縮時にカルシウムイオンが放出され、アクチンとミオシンの活動を最大限にする。筋線維が収縮するが、その張力が最大になる前にカルシウムイオンは再吸収される。これにより筋は弛緩する。その張力を高めるために必要なのは、単収縮の回数を増やすことである。そして最大の張力を発揮するには、単収縮の回数が増す上に、間隔が短くなることによって単収縮が融合し最大の張力を得られる。これを強縮という。

2,筋線維のタイプ
広くられている分類が、遅筋線維と速筋線維である。これは、単収縮に要する時間で分類されている。
遅筋線維:力発揮の立ち上がりと弛緩が遅く、単収縮の時間が長い。
速筋線維:力発揮と弛緩が急速におおこる。単収縮の時間が長い。
ミオシンA T Pアーゼに組織化学的染色を施す方法による分類では以下のように分類する。
タイプⅠ(遅筋線維):有酸素的なエネルギー供給能力が高く、素早い筋力発揮能力は低い。
タイプⅡa(速筋線維):タイプⅡxに比べ、有酸素性代謝が高く素早い筋力発揮能力が高い。
タイプⅡx(速筋線維):有酸素性代謝は低く、素早い筋力発揮能力が高い。
これらは、筋の役割に応じて分布しており、筋ごとにその割合は様々である。
ヒラメ筋は姿勢保持のためタイプⅠが多い。大腿四頭筋は筋線維が混合しており、ローパワー、ハイパワーどちらも活動可能である。

3,運動単位の動員パターン
筋力は自由にコントロールすることが可能であるが、これには2つの要因がある。
1,運動単位の発火頻度の調整
単収縮が一度であれば発揮される力は弱く、単収縮が加重されることにより発揮される力を大きくすることが可能になる。手などの小さい筋肉において重要な役割を果たす。
2,動員する運動単位の数の調整
大きな力を発揮する際は、強縮に近い状態になるため、さらに大きな力を発揮する際は運動単位の数を増やすことで可能になる。だが、全ての運動単位を動員することは不可能に近く、相当な努力の末に最大に近づくことはできるがそれでも最大張力を発揮することは困難である。

4,固有受容体
固有受容体は、関節、筋、腱の存在する特殊化した感覚器である。筋の圧力や張力を敏感に感知して中枢神経系の意識及び無意識を司る領域に送る役割を果たしている。姿勢の維持や、複雑な強調が求められる動作の時に作用している。だが、情報のほとんどが無意識レベルで処理されているため、意識的に行う必要はない。

5,筋紡錘
結合組織の鞘に包まれた特殊な筋線維からなる固有受容体で、筋の長さ及び長さの変化の割合に関する情報を感知する。筋紡錘内の特殊な筋線維を錘内線維と呼ばれる。筋紡錘の外側の筋線維を錘外線維と呼ばれる。これらはほぼ平行に配列している。筋紡錘の働きにより筋の活動を制御しているため、より緻密な動作が必要な筋には高密度に存在している。

6,ゴルジ腱器官
筋腱接合部の近くに存在する固有受容器で、筋の張力が高まるとゴルジ腱器官は放電し、運動神経に抑制をかける。これはゴルジ腱器官が筋活動に抑制をかけて、筋を弛緩させることになる。張力が大きい場合に反射的に働くという特徴がある。この抑制を解除するためには高重量レジスタンストレーニングによって起こる。

だらだら書いてしまいましたが、自分が一番復習になりましたw

次回もお楽しみに!

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