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映画『ガメラ2 レギオン襲来』 (ネタバレ感想文 )大人の国防映画。

これも4K HDR版で鑑賞。HDRって何?
でも綺麗でしたよ、水野美紀が。てゆーか、スカート短すぎない?

映画早々、言うわけですよ。
「制動?あまり気持ちのいい話じゃないな。」
もう泣いてますよ(<何故?)。
仙台から飛んできて勢い余ったガメラ横すべり火球3連発。号泣ですよ。
何度観ても痺れる。何度観ても好きすぎて泣く。

可哀そうに、勢い余ったガメラ横すべりで足利市壊滅です。
あしかがフラワーパークなんか怪獣の足の下ですよ。
そういやあしかがフラワーパークの近くに栗田美術館っていう、伊萬里と鍋島専門の磁器美術館があるんです。創設者の栗田英男なる人物がなかなかオカシクてね。陶磁器の魅力にとりつかれて美術館を創設すべく国会議員にまでなったものの簡単には美術館が作れないと分かるや「20年の年月と幾多の辛酸を経て(自称)」自力で収蔵数世界最大(自称)の美術館を創設したとか。しかも独自の「栗田学説」なる持論を展開。赤絵付けは柿右衛門が始めたという伊万里の定説を否定。いやもう柿右衛門全否定。「伊万里・鍋島年表」中にもいくつも「栗田学説」が登場するトンデモぶり。
15,6年前に訪れたきり忘却の彼方だったこのトンデモ美術館が、3年ほど前に急に脚光を浴びて驚きました。『ボヘミアン・ラプソディ』(2018年)の大ヒット。フレディ・マーキュリーが生前(最後の来日時)この栗田美術館に来たんですって。にわか観光スポット急浮上したんです。
全然関係ない話でごめんなさい。どうせ踏み潰されてんのにね。

私は、ハリウッドスター・ケン ワタナベが出演した『GODZILLA』(2014年)を観た際に、「もはや大怪獣はリアルな恐怖ではない」という感想を持ったものです。「ジュリエット・ビノシュの無駄遣い」とも思いましたけど。
60年代の怪獣ブームはさておき、戦後10年足らずで作られた初代『ゴジラ』(54年)は当時の人々にとって「空襲」のイメージと重なったと思うのです。しかし時代は移り変わり、我々は空襲の恐怖を知りません。むしろ電車内で突然ナイフを振り回す奴の方が恐怖の時代。もはや大怪獣はリアルな恐怖ではないのです。
だから『シン・ゴジラ』(2016年)は震災(津波)のイメージを重ねてきた。
そしてこの『ガメラ2』は地下鉄サリン事件を重ねてきたのです。
レギオンという怪獣の形態がよく考えられていて、大怪獣以外に飛行する小型レギオンが大量に出てくることで、身近な恐怖を設定することに一役買っているのです。

『パトレイバー2』(93年)の実写と言われることもありますが、否定はしません。同じ伊藤和典脚本ですしね。俺、『パト2』の「キル・ワイバーン」のシーンでも好きすぎて泣くし。「見ろ!90式だ!」ってのを実写でやったわけですよ。もっとも、今の自衛隊の最新戦車は10式ですけどね(<ただのミリタリー好き)。

しかし『パト2』は「戦争シュミレーション」の趣きですが、この映画は「国防シュミレーション」という印象です。
そして守護神ガメラは「地球の守り神」であって、人類を守ることが目的ではない。人類がガメラの敵(=地球の敵)になり得ることを示唆した点が、パトレイバーとは根本的に異なるのです。

(2021.11.13 Morc阿佐ヶ谷にて再鑑賞 ★★★★★)

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監督:金子修介/1996年 大映

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