はじめての一人旅。からの、地方観光地の活性化を考える。
みなさん、おはようございます。
私は、「株式会社ピープルズ」という会社の執行役員及び経営企画部長であり、その子会社である「スーベニール株式会社」の取締役を務めています。
※私の自己紹介の記事はこちらをご覧ください。
⇒普通のOLだった私が、ある会社の社長になった、たった3つの理由。
実はわたし、一昨昨日の日曜日、はじめての❝一人旅❞に行ってきました。
前の日に言おうか言わないか迷って、誰にも言わずにこっそりと。
言ってしまうと、やっぱり寂しくて行けなかったときに恥ずかしいなと思ったので、、、
私はなんせ意気地なしなので、出張先でも一人でごはんも食べにいけないし、(ふらふらと歩いてみるものの、お店に入る勇気がなくて、結局コンビニで買ってホテルで済ましてしまう。)さらには方向音痴ですし、ちょっと一人で生きていくにはダメな人間です。
そんな私ですが、旅は大好きですし、ふと出かけたいなぁ、と思ったとき、何人かの顔が思い浮かんだのですが、今回は一人で行ってみよう、と考えなおしました。
何度もお話していますが、私が所属している会社は、コロナの影響が直撃です。主に観光地でお商売しているスーベニールの店舗や商品の卸は、物販の割合が高く、回復に時間がかかりそうです。今まで直面した危機の中でも最大級の出来事ですので、日々の仕事の中でもそりゃしんどいことや、厳しい判断しないといけないことが多いです。それも全部自分たち、会社のため。わかっているんですが、やっぱり気は滅入るものです。ですので、ちょっと新しいことにチャレンジしてみようと一人旅を思いつきました。自分の気持ちを入れ替える気分転換という感じです。
場所は、行ったことがないところであればどこでもよかったのですが、1週間前くらいにテレビでやっていた、ススキがきれいな曽爾高原に行ってみることにしました。
余談ですが、今年の初めに35歳にして初めての免許を取ったので(高速にのって鳴門に行くのが、今の目標。)車でどこかに行くことも考えたのですが、さすがにハードルあげすぎ、と思って、公共交通機関で行ける場所にしておきました。
結果。一人旅、最高です。
例えば、誰かと旅行に行くとき、私すごい調べてしまうんです。修学旅行ばりの旅のしおりを作ってしまうほど。
交通機関はもちろん、その道の途中でこんなのがあって、ごはんやさんはここがオススメで、とか。本来は、おみやげを買う気分と同じで、その土地で出会うものに喜びを感じるので、行き当たりばったりの旅行も素敵だと思っているのですが、どうしても、誰かが”どうしよう”とか”わからない”とかなるのが嫌で、結構バッチリ準備したくなる。
ですが電車とバスの時間を確認し、行って帰れることだけ確認しておけば、何も決めなくても大丈夫です。今回私は「曽爾高原のススキの前でお昼ごはんを食べよう」ということだけ決めて出発しました。もしもバスに乗り遅れても、自分の旅は自分で決めればいい。次のバスまで何して待ってようかなとか。別に旅行先で本を読んでたっていい。そのハプニングも楽しみの一つとできる気軽さがよいなと思いました。
実際、ススキが一面に覆われた景色の高原!ということしか知識になかったのですが、周りにはキャンプ場があったり、登山コースがあったりと、結構山でしたので、高原だけでなく、空気の透き通った緩やかな山道を歩くことになったり、googlemapでは、遠くて行けないと思っていた場所が意外と山道だと近くて、温泉に入れたり。(この露天風呂が、景色もよく、天気もよく、太陽が温泉に反射してキラキラと本当に綺麗で、温泉も気持ちよく、最高でした。)調べていても同じ道に辿りついたかもしれませんけど、より楽しい気持ちになれました。
さて、今回の旅行でも感じたのですが、こういった”車での移動が不可欠”の観光地は全国に様々ありますが、これからの若い世代にも来てもらおうと思った時には色々問題があります。
①田舎の観光地は特に、県や町などの行政の力で、観光の活性化が可能であり、民間企業だけでは難しい。
例えば、今回私は最寄りの近鉄駅から、バスに1時間乗って高原に行きましたが、その1時間の道すがらにもたくさん気になるところがあるんです。でも、バスは、4時間に1本とかしか出ていないし、歩いて移動できる距離でもない。山なのでタクシーもいない。となると、自家用車以外の方は、高原にしか行けないことになってしまうんです。
昨年行った小豆島でも感じたのですが、島全体を行き来する小豆島オリーブバスにフリーパスで乗ることができるのですが、こちらもなかなか本数が少なく、行く場所を制限したり、一定区間はタクシーで移動したりすることになりました。
若者の車離れは、金銭面、価値観の変化など様々理由が挙げられていますが、販売台数や所有台数の割合をデータで比較すると顕著です。
コンスタントにバスが行き来していて、どこで降りてもまたすぐ乗ることができれば、買い回りや観光巡りが可能になり、その地域での滞在時間が伸びます。
では、バスの本数を増やすのがよいか?
これがまた難しく、民間の企業が採算を考えた時にそれが難しいのが現状です。バス1台につき、1人の人件費がかかります。もちろん、車両の維持費もガソリン代など、簡単なことではありません。
だからこそ観光移動に伴うタクシーや自転車、バスを提供する企業への補助
、地域を巻き込んだ観光マップ、提携企業の割引やクーポンなどの巻き込み化、あるいは、新たな観光地をつくる、インスタ映えする場所の提供、切り口を変えると、その地域のアイコンやデザイン・グラフィックでの見え方の作成など、、、
ひとつの企業では広げられない輪をつくる力は、行政の仕掛けが無いと難しいと思っています。最大の問題は金銭面です。
後から生み出させるお金が必ずあるので、民間企業のやる気を巻き込んで活性化される地域が増えることを願っています。
昨年行った、奈良の洞川温泉もとても素敵な場所だったのですが、ここもなかなかバスが無く、移動に苦労しました。
奈良は、東大寺や春日大社、奈良公園など有名な観光地も多く、市内を観光するイメージが強いですが、自然も豊かで雄大で、素敵な景色の場所が多いので、是非山道を車で行く勇気のない人にとっても気軽に行ける観光地になってほしいと思っています。
②ロードサイドの観光地化を加速する。(×過疎化を止める)
今回の曽爾高原から、車で5分行ったところ(徒歩では30分かかりました)に、レストランとおみやげやさん、温泉があったのですが、外の広場も含めてたくさんの人が食事をしたり休憩をしたり、ビールを飲んだり賑わっていました。
他にも全国各地の観光地には、中心街に行く途中など、ロードサイドに大きな敷地でたくさんの車が停められる、昔ながらのおみやげ・食事処があります。温泉地や、海・山沿いの観光地が多いかもしれません。
こういったところも、団体旅行の減少や自家用車での旅行の減少などの影響でしょうか、車で走っていると、建物も残ったまま閉店しているお店を見かけます。観光地の中心街はたくさんの人で溢れているのに、、と
また逆に、車でしかいけないポツンとここだけしかお店が無いのに、すごい行列になっている、というお店も見かけます。
ここに、観光立地のお商売の中でも一発逆転できるチャンスが広がっている、と私は考えています。
もちろん、敷地も広いですし、社員旅行や団体旅行が主流だった頃のように多くの人を呼ぶのは難しいですが、例えば体験型や他にはないサービスを考えることで、長い時間滞在していただける、少し高単価の食事の提供や観光サービスが提供できると思っています。ゆったりとした時間を過ごす。景色を眺める。人とは違う旅をする。立地としては、一時代前だと思われがちですが、切り口次第で最新の観光地になりえる、と考えています。
今は海外の方も日本になかなか来ることが出来ませんが、以前のようにインバウンドが戻ってきたときには、新しい視線の観光地が求められるでしょう。そこには、地方の観光地の活性化に鍵があると思っています。
、、、と、一人旅によって色々想いを巡らせたのですが、少しずつ新しい生活形式が定着してきて、観光地も変化していっています。今よりも少し通常に戻った時、また観光地での新しい取り組みを、スーベニールでも展開していたいなと思います。
一人旅、とても楽しかったので、次のステップは、一人宿泊旅行でしょうか。北海道とか行きたいなぁ。まずはひとりで夜ご飯を食べれるようにならないとですね。
今回、唯一寂しかったのは、しゃべり相手がいなかったことです。ビール美味しい!とか温泉やばいーとか、言いたかったなあ、と。笑。
スーベニールが設立して5年経ったとき、記念に本社メンバーで北海道旅行に行ったんです。みんなで自分たちのお店をめぐって、観光して、ジンギスカン食べて、温泉入って。あれも楽しかったなぁ。旅行は1人も2人も30人も、それぞれ楽しいですね。
また、みんなで笑って旅行に行けるよう、頑張って今できることに取り組んで、乗り越えたいと思います。