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「経営者やる」。言っちゃったから仕方ない。やるか。『ピートラ』Vol.11

はじめまして。ピートラ機ちょーのまさとといいます。
ピープル株式会社では代表執行役を努めてまして、社内ではまさとさんと下の名前で呼ばれています。創業家あるあるですね、同じ名字の人が複数人いると必然的にこうなります。

さて。
代表就任からとして丸3年経ちました。パーパスを新しく掲げ、変わっていくときです。ピープルの参加者に行動を変えることを求めていますし、ぼく自身も行動を変えていきたいと思っています。
その1つとして、ピートラにスペースをもらって自分も発信をしていくことにしました!

機長発信のコラム第一回目、何を書こうかな~と色々ネタを出してリストアップしてみていたんですが……。会社の代表者って何やってるんだろうとか、どんな気持ちなんだろうとか、なったことないとわかんないですよね。まだ3年目で新鮮な気持ちを覚えてるうちに、文章にしておこうと思いました。

■会社経営ワカラナイ

ぼくは創業者の長男ではありますが、ピープル社内で普通に商品企画の仕事をしていました。
自分自身も2児の親でもあり、お客様であるご両親のお話や、子どもたちとのやりとりの中から商品づくりをすることにやりがいを感じていました。自分たちが作った商品やその試作で、子どもたちが狂ったように遊びだす瞬間とか、子どもが何かを身につけた瞬間とかすごくうれしい。

正直、人生のなかで経営者になる予定もなかったので心の準備はゼロでした

■どんどん変わる外部環境。あれ、取り残されてる……?

ところが、商品企画をしていると、外部環境はどんどん変わっていくのを感じました。お客様の価値観の変化のスピードがとにかく早い!特にピープルの商品は、こどもの年齢層が狭い(0歳~2歳くらいが中心)ので、数年単位で世代間ギャップが業績にズシンとくる場合があります。

わかりやすいのが担当していた商品の1つ、自転車カテゴリーで起きた出来事です。お客様にとって「男女どちらにもマッチする」と感じられて一番数が出ていたのはオレンジ色だったのですが、ある年の年末を境にぱったり売れなくなり、黄色が急にNo1の座につきました。こんなことってあるの?! おそらくたった一年の差で、感覚的に好きな色が変わる境目の世代だったのだと思います。

もちろん急速に変わっていくのは、お客様の価値観だけではなく。テクノロジーも、はたらき方も、マーケティングの「戦い方」も、取引先さまのスタンスも、商品の品質の条件まで。そんな中で、ピープルだけがすごく取り残されたような感覚がありました。浮かんできた言葉は「鎖国」……?

■よし、じぶんがやろう。

「鎖国」、つまり外部から新しい知識を学んだり、外部のプロにパートナーになってもらって新しい事業を始めたりすることをあまり優先しないことで、ピープルは前例を頼りに独りよがりな仕事をしているようにも感じられました。同時に、徐々に国内の業績が下がってきて、社内の雰囲気もあまりよろしくない。
このままじゃまずい。気づいたからには自分の役目かもしれない。そして創業者の長男という自分の立場を、有効に使える初めての機会かもしれない。
そろそろ世代交代をという声を発信していた役員の方たちに、ぼくがやりたいと思いますという気持ちを伝え、すったもんだあって代表就任に至りました。

■「社長 役割」でググった。

とはいえ、ぼくがやりたかったことは「代表になること」そのものではなく、もうちょっとうまく社内リソースを使ったり、やり方を変えたら業績や社員の満足度が上がりそう、という思いだけ。生産性が上がればなんとかなるんじゃないか、と信じていました。
当時すぐやりたかったことといえば、こんな事でした。
・トップダウンですべてを決めるスタイルを変えたい
CMコンテや店頭陳列のヴィジュアルなどクリエイティブにまで「上の人」が決裁権を持っていて、自分自身、消費者と一番関わりを持っているは現場なのだから、任せてもらえたらより良いものをつくれるという想いがありました。
・育児中のママ社員が、リモートワークを活用できるようにしたい
子どもが急な発熱で、家に居ざるを得ないけど、お母さん自身は手が空いていて仕事はしたい。なのに書類がすべてオフィスにあるから作業ができない。そんな状況がたくさんありました。
・デジタルシフトとペーパーレス化
社内は紙まみれだけど、「紙に手書きをすることではじめて仕事を覚えるのだ」のような古めの価値観がありました。
改善したいことはあれど、どういう姿にしたいか、みたいな具体的なヴィジョンなんてなかった

なにからどう手を付けたら良いんだろう。とりあえずググりました。「社長 仕事」。そんなこんなで、企業理念から整理しようということになりました。創業来、あまり文章化されてなかったことが、この時わかったんです。ピープルは、私たちはこれまでどんなことをやって来て、どんな価値を社会に提供できたのか?議論の上でミッション、ヴィジョン、ヴァリュー(MVV)を掲げたのが代表就任最初の仕事になりました。

3年経った今、過去やって来たことの整理ではなく、未来に向かってどんな価値を提供したいか? をパーパスとして掲げ、企業理念は当時のMVVは役割を終えました。

余談ですが……。
まったくの個人的な価値観なのですが、ぼくは「社長」と呼ばれるのがしっくり来ないのです。なんか、「会社で一番えらい人、すごい人」っぽく聞こえる。いやいやもちろん得意なことはあるけど、ポンコツな部分もたくさん持ってるぞ。それぞれ個性を発揮して活躍するチームが一番生産性が高いんだから、会社の代表の人だって役割の1つに過ぎないんじゃないかな。
法的には「代表権を持つ執行役であり、取締役」と定義されていますので、「ピープルの代表です」と名乗ることにしました。

■まずは走り出す。困ったら後で勉強するスタイル。

2022年の今、いち企画担当者から会社の代表者をやろうと覚悟を決めた想いがあったなと当時の気持ちを振り返ってみました。「経営者やる」って言っちゃったものはしょうがないよね……勉強しよ、みたいな無責任スタートだったかもしれない。
でも、新しいことに挑戦するというのは大体そんなもんだと、今では思います。「万全の準備からのスタート」なんて理想論だ。「とにかくやれ!」だ。万全の準備なんかしてたら、世の中どんどん変わっちゃう。

走り出して、困った事、わからないことがあったら後から必死で学べば良い。困ったー!って騒いでいるときっと誰かが一緒に考えてくれる。素晴らしいその道のプロに出会えたりもする。失敗に気がついたら立ち戻って直せば良い。2度と立ち上がれなくなる失敗さえしなければ良い。
自分もそういうスタンスだし、社員にも、子どもたちにも、完璧なんて求めない。挑戦の数を増やすのが何より大事だ。

そんな想いから始まったピープル第2創業。
今まで3年間、何かを試しては、何かが違う! のトライ&エラーの連続だったし、今後もずっとそうかも知れない。どこかでブレイクスルーすることを信じて、あらゆる仕事を楽しんでいきたいと思います。

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