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4年越しにわが子の不思議行動の謎が解けた、かも。 ~ピープル赤ちゃん研究所通信④~『ピートラ』Vol.71

ピープル赤ちゃん研究所のきむらです!
私たち赤ちゃん研究所は、「ピープル流赤ちゃん観察」を、社会に広めることを目的に活動しています。

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びっくり!インドネシアの赤ちゃんとの出会い、そして気づいた「観察眼の磨き方」 ~ピープル赤ちゃん研究所通信③~『ピートラ』Vol.68

ピープルは創業以来、商品開発過程において「赤ちゃん・子どもの観察をすること」をもっとも大切にしてきました。
赤ちゃん研究所では、「ピープルの赤ちゃん観察」とは、ただ見るだけではなくて、仮説をもって観察し、そこ得た気づきを他の人と共有・対話を通して、さらに深い仮説を持ち、また観察する、というプロセスが特長だと考えています。

そして、その赤ちゃん観察を大切にする企業文化の象徴のひとつが、育休中社員の「育児日誌」
今回は、育児日誌にまつわる、私のピープル流赤ちゃん観察体験のお話です。


育児日誌は、育休中の会社との懸け橋

ピープルでは、育児休業を取得した社員の多くが育児日誌を書きます。
書き方は人それぞれですが、「こんなことをしていた」「これに興味を持っていた」など、わが子を観察しての気づきや、育児中の自分の気持ちを記録しています。

育児中のパパママの赤ちゃんの行動への気づきが商品アイディアにつながることもあるので、この育児日誌は基本的には社員全員に共有されるのですが、たとえ直接商品に結びつかないようなことでも、子育ての真っただ中にいる人ならではの意外な発見があったり、赤ちゃんや書き手の個性を感じたりして、みんなが読むのを楽しんでいます。

赤ちゃん研究所の発足にも、この「育児日誌」が重要な役割を果たしています。詳しくはこちら
▶PR TIMES STORY 好奇心ドリブンで走り続ける「ピープル赤ちゃん研究所」の軌跡。経営者が語る、パーパス経営の実践に欠かせない理由とは

私にも、4歳の子どもがいますが、出産を迎えるにあたり、育児日誌を書くことを楽しみにしていました。
実際、産後から日誌を書きはじめると、読んだ社員がLINEで「あの行動おもしろかったね!」と感想をくれたり、「◎◎で悩んでるって書いてあったけど、××おすすめだよ!」とアドバイスをくれたり。育休中でも会社とつながっている実感を持ち続けられて、心強かったです。

当時の育児日誌を振り返って、改めて発見した赤ちゃんの不思議行動

とはいえ、ただでさえドタバタの育児の中で、毎日日誌を書く時間を作るのは想像以上に大変でした……。
先輩たちは手書き派も多かったですが、私はスキマ時間を縫ってメモを取れるブログを使い、出産から保育園入園まで1年以上記録していました。
その育児日誌は、わが子が4歳になった今もちょくちょく見返しています。

見返す用にブログを書籍にするサービスを使ってみました。

見返すことで、数年越しに「この行動はこう言う理由だったのかな?」と気づいたり、新たな問いが生まれることもあり、それが今の赤研のワークショップのアイテムや観察視点につながることも。
自分で言うのも変ですが、育児日誌は宝の山だな~と感じています。
大変だったけど、続けていてよかった!

今回、この育児日誌のことをピートラに書こうと思って振り返っていたら、とある日のわが子の様子がすごく印象に残りました。

9ヶ月ごろ、ベビー用のヘアブラシを初めて触ったときのこと。


見てください、この顔!
めっちゃイヤな顔してます。

身の回りのものや、親が持っているものを触りたがっていた時期。
このヘアブラシも触ってみたけれど、ブラシの毛の部分が、触り慣れない感触で、ぞわっとするというか、ちょっと不快だったんだと思います。

この当時、「赤ちゃんは新しい触感はなんでも楽しく受け止める」と思い込んでいた私は、「嫌いな手触り」もあるんだ!と驚いた記憶があります。
しかも、不思議なことに、触り心地がイヤなら触らなければいいのに、数十秒かけて、じっくりブラシ毛の部分を触っているんです。

共有・対話から赤ちゃんへの理解が深まる。これぞ「ピープル流赤ちゃん観察」

そんな様子を、「わが子の不思議行動」として記録には残していましたが、なぜそんな行動をするのか、ちゃんと理解できないまま数年経ってしまいました。

今回の記事は、内容はちゃんと決めないまま(笑)、この行動について書こうと思った私。ピートラのイラストを毎回書き起こしてくれている、社内のアートワーク担当・とりうみさんに、上の写真を共有してイラスト作成をチャットでお願いしたところ、こんなコメントをもらいました。

このチャットが、わが子の不思議行動を言語化して理解するヒントに。

なるほど!たしかに!!
「生理的な拒否反応」と「この初めての不思議な刺激のことをもっと知りたい」という、アンビバレント=相反する気持ち。

「イヤなんだけど、イヤに気持ちになるこの感覚はいったい何?!知りたい!」という、これも立派な【好奇心】なのではないか、と新たな視点を持てました。

「楽しい」を追求することが【好奇心】だとばかり思いがちだけど、「怖いもの見たさ」という言葉のように、「怖い」とか「くさい」とか、「不快・イヤ」なことと出会ったときにも好奇心が発揮されて、やめておけばいいのについトライしてしまう……ということ、大人もよくありますよね。

生まれて1年立っていない赤ちゃんにも、そんな「イヤだけど、やりたい」という相反する気持ちの間での葛藤、そんな複雑な感情がちゃんと芽生えているんだ!

「やっぱり、赤ちゃんて、すごい!」と改めて思ったとともに、1枚の写真から赤ちゃんの行動を観察・分析して、言語化を助けてくれたとりうみさんにも感謝の気持ちでいっぱいになりました。
わが子の複雑な気持ちを全力で表現してくれたとりうみさん画のイラストも、ぜひもう一度じっくり見て行ってください!

育児日誌を大切にすること、そして、赤ちゃんへの気づきを他の人と共有して、それぞれ感じたことを話すことで、また深い赤ちゃんへの理解、仮説を持つこと。ピープルが創業以来自然に培ってきた文化、社風を、改めて「やっぱりいいな~」と感じられたできごとでした。

今日は、私の赤研の活動というよりは、個人的な赤ちゃん観察にまつわるエピソードでしたが、ピープルの赤ちゃん観察フィロソフィーが少しでも伝わったら幸いです。
これからも、赤ちゃんが好奇心を通して見せてくれる「赤ちゃんのすごさ」を研究していきます!


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